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不機嫌な先輩8
次には先輩が手にローションをかけたかと思えば、今度はおれの後ろへとボトルの先端を持ってくる。
「えぇっ、まっ、て……っぁあ…!?」
穴の中に差し込まれ、液体を流し込まれた。
その逆流するような感覚に、陽彩は体を強張らせる。
少ししてボトルが抜かれたと思えば、次には先輩の濡らされた指が穴の周りに添わされる。
信じられない場所をゆっくりと丁寧に撫でられ、陽彩はどうすればいいのか分からない。
しかし刻久の左手が、また中心を包み込んで愛撫を始めた。
割り開かれた両膝がビクッと震える。
シーツを握り締め耐えていると、縁を撫でていた中指が中に入ってきた。
「ひゃっ、は、入って…っ」
「…やっぱきついな。痛く、ないか?」
「は、い…。でも、変な、感じ…っ」
違和感がすごくて、無意識に体が強張ってしまう。
そんなおれに覆いかぶさった先輩に、啄むようなキスをされた。
少しして唇が離され、耳元で囁かれる。
「陽彩、力抜け。ローション使ってるから、そんなに痛みもないはずだ」
深呼吸して。
その言葉に従って、スーハーと深呼吸を繰り返す。
そうすればやがて少し楽になった気がした。
体の力を抜くように努めると、目の前の先輩が微笑みを浮かべる。
「そう。いい子」
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