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知らざる後輩2

「ねぇ見て見て…!あの人ちょーイケメンじゃない…!?」 「ほんとだ…!外人さんかな…っ?」 「うお、スポーツカーだ。スゲー…!」 「高級車、カッケー…!何者なんだあの人…!」 校門の辺りが騒がしいことに気づき、おれは冷や汗を流していた。 生徒たちが話すキーワードに、ある人物が思い当たり過ぎて頭を抱えたくなる。 恐る恐る校門から顔を覗かせると、見覚えのあり過ぎる車と人が見えた…。 真っ赤な高級車にもたれかかる、その長身にハイブランドのスーツを纏ったグラサン男。 その姿はめちゃくちゃ目立ちまくっている。 嫌だ。絶対に関わりたくない…。 他人のふりをして素通りしようか。 いや、あの椋兄のことだからきっと逃してはくれない。 こうなったら遠回りになるけど裏門から抜け出そう。 そう決めて踵を返した時、例の爽やかな声が後ろから聞こえてきた。 「陽彩〜っ、お兄ちゃんが迎えに来たぞ〜!」 その呼びかけにビクーッと体が硬直した。 続いて周りの生徒から一斉に視線を向けられて顔を真っ赤にさせる。 満面の笑みでこちらに手を振る椋兄に、おれは引きつった笑みを浮かべることしかできなかった。 「だから悪かったって。拗ねるなよ陽彩」 「……」 ソファーで体操座りをして蹲っている陽彩に、椋はやれやれと苦笑いを浮かべる。 さっきからずっとこの調子で、陽彩はご機嫌斜めのようだ。 「お邪魔しまーす。…ってあれ、椋さんじゃん!」 その時、中に入ってきた秀明は椋を見るなり声を上げた。

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