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ピンチな後輩4
でもやっぱり、誰かに相談した方がいいのかな…?
ヒデちゃんには、悩みは溜め込まずにちゃんと話せと何度も言われ続けている。
でも実際に姿すら見ていない相手だ。
対処のしようがないし、そうなるとヒデちゃんにいろいろと負担をかける。
ただでさえ今は部活が新チームになって頑張っている時期だ。
それを自分の弱さでヒデちゃんに泣きついて邪魔をしてしまっていいものか…。
立ち尽くし考え込んでいると、不意に背後から肩を触れられた。
驚いてバッと振り返ると、同じように驚いた顔をした刻久先輩がこちらを見つめている。
「…ぁ、せん、ぱい…」
「陽彩…。顔色、悪いぞ…?」
「なになにー?どした?」
続いて刻久先輩の後ろからヒョコッと三浦先輩が顔を出す。
おれは安堵なのか緊張なのかよく分からない心境のまま、手紙と写真がバレないよう背中に隠した。
「す、少し寝不足で…っ。夜、本を読んでたらつい…」
「あ、分かるー。俺もゲームやってたらついつい夜更かししちゃうんだよねー」
「お前は勉強しろよ受験生」
ニコニコ笑う三浦先輩に、刻久先輩が呆れたようにツッコミを入れる。
そのいつもの和やかな光景に、少し体から強張りが取れた気がした。
その一方で、酷く苦しくも感じる。
例え誰かに相談するとしても、彼ら、特に刻久先輩には言えない。
今は何より自分のことに集中して欲しかった。
おれがその足を引っ張るなんて、絶対に嫌だ。
「じゃあ、おれ、もう行きますね」
「あ、あぁ…。……陽彩っ」
「っ、は、はい」
「……おはよう」
「っ!……ぁ、お、おはようございますっ」
言われて挨拶し忘れていたことを思い出した。
いつも欠かさずするくせに…。
変に、思われたかな…。
おれは刻久先輩を見るのが怖くて、逃げるように教室へと向かうのだった。
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