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ピンチな後輩6

「お、おい大丈夫か…!?あ、そういや体弱いんだっけ?貧血?」 「…いえ。大丈夫です。すみません…」 まだ少しフラついたけど、なんとか踏ん張る。   昔から体が弱いせいで周りに心配や迷惑をかけることが多かった。 だからこそ、余計な気遣いはされたくないと思ってしまう。 おれの様子を見ていた玖保先輩は、少し何かを考え、次には僅かに眉を寄せた。 「なんか…、陽彩元気ない?」 「…だ、だから貧血とかじゃなくて…」 「いや、体調とかじゃなくて…、もっと、メンタル的な?」 「…っ」 つい顔を上げて玖保先輩を凝視してしまう。 彼はきょろきょろ辺りを見回して、「よし」と笑みを浮かべた。 「ちょっと、付き合って」 *** 「ほれ」 「あ、ありがとう、ございます…」 手渡されたコンビニアイスを受け取る。 夏も後半になり日が暮れ始めると涼しくなってきていたが、まだじんわりとした蒸し暑さが感じられた。 近くにあった公園のベンチに座り、2人並んでアイスを食べる。 開けた空間では小学生たちがケイドロをして遊んでいるようだった。 自分はあれぐらいの頃、特に体が弱かったから満足にみんなと遊べなかったものだ。 いつも離れた場所から子供たちを眺めていた。 みんな明るく元気な色で満ちていて、心底羨ましく感じたのを思い出す。 「…それで、どうしたんだ?」 遠慮がちに切り出してきた玖保先輩。 言うかどうかはやっぱり迷った。 でもあんな態度までとって何もないなんてごまかしは効かないし、失礼でもある。 それに玖保先輩になら打ち明けやすいと思った。 あまり身近過ぎる相手だと、こう言う話は躊躇ってしまうから…。 おれは一度口をつぐんで躊躇したが、やがておずおずと話し始めた。

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