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恋_14
服を買った後はリュック選びにも付き合わされて、それから休憩がしたいと言い出した水野に連れられてカフェへ。
「僕紅茶とパンケーキ食べる。浅井くんは?」
「パフェ……」
「あ、かぼちゃのパフェ!美味しそう!」
水野が鳴らした呼び鈴に店員はすぐに注文を取りに来て、俺達は各々メニューを頼んだ。
ドリンクは時間を空けず運ばれてくる。
「ん、このダージリンティー美味しい!」
「ふーん」
水野の言葉を聞き流しながら俺はミルクコーヒーに口付ける。
「ねえねえ浅井君はさ、みーちゃんのどんな所が好きなの?」
「はぁ?何でそんな事お前に言わなきゃなんない訳?」
「聞きたいから!」
何てドストレート……。
「………顔」
「あー、みーちゃん昔からモテるもんね。あのルックスだし」
「綺麗な髪もゴツゴツした手も心地良い声音も好き。優しいし、大事な奴は大切にするからそういう所も好き」
「………ふふ、本当に好きなんだね。今の浅井くんすっごく可愛い表情 してる」
頬杖を付いた水野がにっこりと微笑みかけてくるのが気不味くて、俺はもう一口コーヒーを啜った。
「浅井くんがこんなに愛情表現してるのに、みーちゃんは何やってるんだろ!もう、見る目がないな」
それ、思いっきりブーメランだけどな。
「………篠原には篠原の気持ちがあるんだよ。………もしかしたら好きな人だっているかも………」
「え!?みーちゃんに!?」
「も、もしかしたらだけど………」
一瞬思案に耽った水野はすぐに気を取り戻したように、俺の目を真っ直ぐに見つめた。
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