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恋_21

午前中はひたすらアトラクションに乗って、昼にはガイドブックで調べたパーク内のハンバーガーを食べて………結構いい感じ。 「次何にする?」 篠原も楽しそうだし、俺も楽しい。最っ高のデート。 「次はいよいよ巨大迷路に挑む!」 「お、遂に」 「ちなみに俺は方向音痴だから、篠原が頼り!」 「ふはっ、始まる前から他力本願かよ。頼りねーな」 「いいんですーぅ、ここは篠原の格好いい所見て俺が惚れ直すスポットなんですーぅ」 「じゃあわざと迷おうか?」なんて冗談めかして言う篠原に、俺は頬を膨らませる。 「やだ!格好いい篠原見たい!」 「そんな格好いいもんじゃねーと思うけどなぁ。ま、楽しもうな」 さすがメインと言うだけあって巨大迷路には長蛇の列。 「結構待つな」 「うん。あ、ねえ妹さんにお土産とか買う?来たがってたんだよね?」 「あー、そうだな。買ってくか」 「じゃあ迷路終わったら、ここのショップ行こ!」 ガイドブックを手に、篠原と待つ時間は全然苦じゃない。 むしろ………ずっと続けばいいのにって思ってる。 「妹さんいくつだっけ?」 「七歳、小学一年生」 「そんな小さいんだ。篠原に似てる?」 「間に弟もいるからな。俺はそう思わねーけど、結構似てるって言われること多い気する」 「じゃあ将来絶対美人だ」 篠原の妹だもん。 絶対可愛くて美人に決まってる。 「んだよ、それ。浅井は兄弟いねーんだっけ?」 「いるよ。兄が二人」 「末っ子か。ぽいな」 「………そう?それって褒められてんの?」 「どーだろうな?」 意地の悪い顔。 絶対良い意味じゃない。 「仲いい?」 「普通かな。歳離れてるし、そんな喧嘩とかした覚えない。でも兄さん同士は仲悪い。正反対なんだ、あの二人」 「ふーん」 「けど二人とも俺には優しいよ」 「そっか、そっか」 篠原のこと知れたり、俺のこと知ってもらったり。 出会って四年、恋をして四年。 初めて一緒に出掛けて、初めて知る事がまだこんなにあるんだ。

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