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運命_5

折角のパフェなのに全然味わえない……。 「ん!この栗美味しいね!」 当の本人はパフェに舌鼓打ってるけど。 「……好きな奴って誰なんだよ……?」 「ん?んー……ちょっと恥ずかしいんだけどね」 口にスプーンを宛行いながら、水野は恥ずかしそうに言う。 「実は………あ、字見くんなんだ………」 字見……?どっかで聞いたことあるような……。 「覚えてるかな?ほら、みーちゃんと浅井くんで助けてくれた……」 「あ!あの運命とか何とか言ってたイケメン。え、何で?嫌がってなかった?何でそうなった?」 捲し立てる俺に水野は更に顔を赤くした。 「最初はね本当に怖くて嫌だったんだけど…あの後何回かお話しする機会があって、その……悪い人じゃないんだなって……。怖がらせるつもりじゃなかったって謝ってくれたし、それからは優しくしてくれて……。お昼とか一緒に食べたりしてね、それで、その……」 ……………コイツ、チョロいな。 いや篠原に一目惚れした俺が言うのもなんだけど。でもチョロい。篠原が過保護になる訳だ………。 「……………良かったんじゃねーの?運命とか言われてたんだし、晴れて両想い。めでたし、めでたし」 「……っ……それがね!」 「――うわっ!急に顔近づけんなよ!」 「あ……ごめんね。本題はここから何だけど……」 水野は目に見えて肩を落とす。 「そういう事を言ってくれたのはあの最初の時だけで、それからは全くその話題に触れてくれなくて……」 「怖いって言ったから気遣ってくれてるだけじゃない?」 「そうかなぁ……?でももし一緒に過ごすうちに、僕と逆でコイツじゃなかったなとか思われてたら……そう考えたら胸が痛くなっちゃって……」

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