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変化_7

それから篠原と過ごす時間が格段に増えた。 それは多分篠原がそう言う努力をしてくれてるからだと思う。 俺から誘わなくても一緒に帰ってくれるし、バイトのない日は大抵何処かに出掛けたり、互いの家を行き来したり…。 別に今まで通りでいいと言った俺に、篠原は「俺がしたいからしてる」と優しく返してくれた。 一人暮らしの俺の家の居心地が気に入ったらしく、篠原は俺の家へと赴きたがる。俺としては篠原の家に行く方が好きなんだけど…。 篠原の香りに包まれるし、千歌ちゃん可愛いし。 一度だけ会った篠原のお母さんも優しくて美人だったんだよなぁ…。 なんて考えながら久方振りの一人での帰り道。 通り掛かった公園のベンチで一人座る青年に見覚えがあって、俺は足を止めた。 あ!あれ篠原の弟だ……。 確か……えーっと………臣海だっけ? 彼とも一度だけ鉢合わせたことがあるけど、何か睨まれて終わったんだよな……。 篠原曰く反抗期らしいけど。 ベンチに座る臣海は以前会った時とは違って、気の抜けた顔をしながら空を見上げている。 前を凄い目つき悪かったから気付かなかったけど、目元とか篠原に似てるなぁ……さすが兄弟。 何て思いながら見つめていたら、空に向けられていた視線が落ちてきて吸い込まれるように目が合ってしまった。 一瞬瞠目した臣海はすぐに睨むような目つきに変わる。 うーわ……あからさま……。 とりあえず笑っておこうと笑顔を返したら、思いっきり顔を逸らされた。 か、可愛くない………篠原の弟なのに……千歌ちゃんはあんなに可愛いのに……。 かと言ってこのまま通り過ぎるのもな…。 ほら、もしかしたら将来義弟になるかもしれないし。よし! 「こんにちは、こんな所で何やってんの?」 「…………………」 「一人?」 近付いて声を掛けてみても無視を決め込むらしい。 まあ、想定内だからいいけど。 気にせず空いていた臣海の隣に腰を下ろせば、それはそれは嫌な顔をされる。

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