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変化_13
結局一日中、篠原の笑い方は変なまま。
「…………あー…のさ、篠原…」
「ん?」
「何か、怒ってる?」
全ての講義を終えての帰り道。
篠原の少し後ろを歩きながら訊いてみると、篠原の足はピタリと止まった。
「何で?」
「え、いや何か……変?いつもと違う感じするし………。俺何かしちゃったかなって……」
宮尾が帰った辺りから変だったけど、アイツが嫌がらせしたのは俺にだけだし……。だとしたら、やっぱり俺が何かしてしまったのかもしれない…。
「…………俺、変だった?」
篠原は振り返ると気まずそうに頬を掻いた。
「うん………何か上手く言えないけど……。俺が何かしたのかなって思って……。ごめん……」
「ああ、違う。お前は何もしてないし、悪くないよ。気にさせちゃって、俺の方こそごめんな」
眉尻を下げて見せてくれた微笑みは、いつもの篠原だ。
「あのさ……」
「うん?」
「今日浅井の家でもいい?」
「え、でも千歌ちゃんが一緒に遊びたがってるて……」
そう篠原が言ったから、俺達の足取りは篠原宅へと向かっていたんだ。
「まあ、そうなんだけど……。千歌には俺から謝っておくから。な?」
「い、いけど………」
「そうか、ありがとう」
何にもない俺の部屋なんてつまんないのに……。
篠原は居心地良いって気に入ってくれたけど、ここまで押してくるのは初めてだ。
「じゃあ行くか。駅前でシュークリーム買ってやるよ。」
「やった!プレミアシューがいい!」
「おーおー、ちゃっかりしてんな」
ああ、でも良かった。いつも通りの篠原で。
ちょっと怖かったし、何か知らない人みたいで隣にいても安心出来なかった。
いつもの篠原が俺は好き。
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