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変化_15
飛び出してどの位時間が経ったのか分からない。
途方に暮れながら歩き続けていたらポケットに突っ込んでいたスマホが鳴った。
「…………メッセージだ」
送り主は篠原。『ごめん。どこにいる?』と言う内容だった。
返信しようと入力バーを開くけど、言葉が見つからない。
何て打てばいいんだろ……。場所教えたら追いかけて来るよな……篠原はそういう男だ。
でも今は会いたくない。
「…………やめよ」
返信をしないままスマホの画面を消してポケットへと戻し、その場にしゃがみ込むと自然と溜息が出る。
「最悪…………」
以前よりも篠原が俺と向き合ってくれてるのは嫌だってほど感じる。それなのに、前よりも篠原の考えてる事が分かんない。
「………からかわれてんのかな、俺」「――や、嫌です!」
俺の小さな呟きをかき消す悲鳴が耳に届いた。
な、何だ……?
立ち上がりながら周囲を見渡してもそれらしい姿はない。
て言うか今の声、嫌ってほど聞き覚えあるんだけど……。
そんでもって嫌な予感ってのは当たるんだよな、馬鹿みたいにさ。
「――離してください!」
また耳に届いた声を辿って足を進める。
曲がり角の陰からこっそりとその先を見ると案の定の光景に思わず頭を抱えた。
「………絶対アイツ俺の疫病神だ」
一人呟いた俺の心境で察してほしい。
数人の柄の悪い男達に壁際へ追いやられ囲われていたのは、間違いなく水野だ。
………本当、何してんだよアイツ。
「ちょっとぐらい良いだろ?Ωなんてαに足開いてこそ本来の務めが果たされんだから」
「む、無理です!絶対嫌です!」
ああ、なるほど。
そう言う絡まれ方ね。
よし、無視。
関わらないのが一番いい。そうだ、そうしよう。
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