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変化_26
スマホのバイブの振動で目が覚めた。
また……寝てた………。
時間にして丸一日また眠っていたらしい。
鳴り続けるスマホに目を向ければ“篠原”の文字が見えて、それをベッドに放った。
それからベッドを抜け出してシャワーを浴びる。
一週間経ってるし、そろそろ大学行かないと……。
そんな事をぼんやり考えながら淡々と身体を動かした。
浴室から戻るとスマホは鳴り止んでいて、代わりにメッセージが一件。
『このメッセージを読んだら連絡がほしい』と短く綴られたそれを静かに閉じた。
適当な服を着て久方ぶりに外へ出る。
眩しいぐらいの晴天。眩しすぎて下ばかり見てた。
大学の構内に入ってすぐに後ろから肩を掴まれて、俺の身体は後ろへ傾いた。
何だと見れば肩を掴んだのは息を切らした水野だ。
「浅井くん!良かった!本当に良かった!」
「………………」
その後ろを字見ものんびりと追いかけて来て、珍しく俺と目を合わせる。
「ごめん、ごめんね!僕のせいで……本当にごめんね!怪我とかは?他にも……………浅井くん?」
「…………何?」
「何か、変……だよ?いつもと違う……」
「いつもこんなんだろ、お前には。別に怪我とかもしてないから気にすんなよ。じゃーな」
肩に乗せられた手を払って歩き始めた俺の行く手を阻んだのは、意外にも字見だった。
言葉は何も発されない。
数秒睨み合っていたら字見の手が伸びてきて、俺の顎を掬った。
それでも互いに外さない視線が徐々に近づき、鼻先が擦れる距離で字見はピタリと止まる。
「……逃げないんだ?キスするよ?」
「どーでもいい。けど、水野が泣くんじゃねーの」
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