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隣_34
吸われたそこへ確かめるように一度唇を落とされて、篠原は満足そうに「付いたな」と呟く。
「つ、付いたの……?」
「ん、ちゃんと付いた。消える前にまた付けるから」
「どのぐらいで消えるもん?」
「さあ?俺も初めてしたし、分かんねーけど……一週間以内ぐらいじゃないか?」
い、一週間!?え、じゃあこれ週一でやるの?
「身が持たない……」
「俺は毎日でもいいけど?」
そんな事を言いながら篠原は項から肩口に掛けて止め処なく唇を押し当ててくる。
「……っ……篠原っ!も、終わったって……」
「んー……何か止めたくなくて。もうちょっとだけ」
「や、そんな……っぅ……」
そんな密着されたら嫌でも篠原の硬くなってるモノを意識しちゃうし、それにこんなに身体に触れられたら俺もた、勃っちゃう……。
「え、襟そんなに引っ張ったら伸びちゃ……」
「んー……」
「篠原聞いてな――ふぁっ!?や、そこ舐めな、っ……ぃで」
「肩口 、弱い?」
嫌だって言ってるのに何で篠原楽しそうなの……。
「ゾ、ワゾワする……から……」
「ここ舐めると身体の力抜けるもんな」
「うぅ…………」
「なあ、俺に触られて興奮する?」
「うっ…………しないって言ったのに……ぃ」
「しねーよ、最後まではな。けど俺は浅井に触れてこんなに興奮してるからさ、浅井はどうなのかなって。下触ったら止まれなくなりそうだから、言葉で教えて?」
言うまで止めないと篠原の舌は身体を這う。
篠原のことだから本当に絶対止めてくれない気だ。
興奮してるかなんて、聞かなくったって分かってるくせに。
擦り合わせた太腿の間で張り詰めたそれは窮屈そうにズボンを押し上げてる。
「言わないって事は続けてほしいって事?」
「違っ――!?」
言い掛けた言葉を止めたのは微かな物音が聞こえたから。
「い、今なんか音した気が……」
次いで耳に届いたのは階段を駆け上がってくる音。
「あ、ヤベ……もう帰って来たか」
「帰ってって……」
篠原の腕の拘束が解けて、ようやく事を理解した俺は咄嗟に篠原の身体を突き飛ばしてしまって……それと同時に音を立てて部屋のドアが開く。
「――あさいくん!こんにちは!」
「ち、ちちち千歌ちゃん、こ、こんにちは……」
「わぁーい、あさいくんだ!…………?みぃ兄ちゃん何してるの?」
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