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SS_嫉妬3

鍵を持ってる宗一がわざわざ鳴らすはずはないが、この時間に来客ってのもな……。 そんな事を思いながらカメラ付きインターフォンに近付き、映し出された画に俺は慌てて玄関へと向かった。 勢いよく開けた扉の先では先程画面に映っていた光景と同じく、宗一が見知らぬ男に横抱きにされていた。 「……ここ浅井の家で間違いないですか?」 スーツを身に纏った男は視線の少し下。飛び出した俺に驚きもせずに淡々と告げた。抱えられてる宗一と言えば、腕の中でスヤスヤと眠っていた。 「そうだけど……お前誰だ?宗一に何した?」 「何もしてません。少しだけ呑むつもりだったんですが、ご覧の通り酔い潰れてしまったのでここまで運んだ次第です。初めまして、浅井の同期で汐野と言います」 軽く頭を下げた汐野。その名前には聞き覚えがある。確か仲の良い同期だと宗一が言っていた。 そうか、コイツが汐野……。 「篠原だ。迷惑掛けたな」 「いいえ、誘ったのは俺の方ですから。浅井、家着いた。起きて」 身体を揺さぶられた宗一の顔を覗けば仄かに赤く色付いてる。こりゃ相当呑んだな。 「宗一、ほらこっちおいで」 「ん……んー……?み、かげ……?」 俺の声に反応した宗一は微かに身動ぐ。 「みかげの声だぁ……ふふ、みぃかげ!」 満面の笑みを浮かべた宗一は俺に抱えられていると勘違いしたようで、汐野の首に腕を回し、頰を擦り寄せる。 「浅井、汐野だ。目を覚ませ」 「んー?んぅ……みかげじゃない……?」 「そう。篠原さんはあっち」 汐野の目線に無意識に自分が彼を睨みつけていたことに気が付いた。 「……そんなに睨まなくても取ったりしません」 「あ、いやそんなつもりじゃ……」 「今日一日寂しそうでした。昨日まで楽しそうにしてたのに。だから気分転換になればと呑みに誘ったんです」 「…………」 「まあ俺なんかが口を出すことじゃないでしょうけど」

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