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第一章・4

 しかし、小銭稼ぎだけでは到底生活は成り立たない。  日々の暮らしは何とかなるが、電気やガス、水道などの公共料金の支払いには苦労する。  そこで……。 「なあ、夏目。ホントに一回5千円でいいのか?」 「いいよ。人が来るとマズいから、さっさと済ませちゃおうよ」  そう言って、都は制服のベルトを緩めた。  彼は、体まで売るようになってしまったのだ。  最初は、冗談から始まったことだった。 「便利屋って、何でもしてくれるんだろ?」 「そうだよ。だから、遠慮せず何でも言ってよ」 「性欲処理も?」  そこで数名の友人たちは笑ってそいつを叩いたが、都は彼の目が一瞬本気だったことを見抜いていた。  だから、昼休みに呼び出した。

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