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第一章・7
行為を終えて衣服を整えながら、二人は何事も無かったかのように会話をした。
内容は、生々しいが。
「な、悦かった? 俺のテク、イケてる?」
「まあまあかな」
「厳しいなぁ、夏目は」
「もしよかったら、また誘ってよ」
「俺のダチに、ヤりたそうな奴いるんだけど」
「うん、宣伝しといて。あ、でも乱交はNGだから」
一日一人、一対一で。そして、スキンは付けて。
そんなルールを、忙しく頭の中で整え始めた都だ。
だが、男子生徒が部屋から出て行ったあとに、じわりと涙が浮かんだ。
「何で!? 泣くことないじゃん。僕はただ、便利屋として稼いだだけなんだから!」
のろのろとドアを開けて、都も部屋から出ていった。
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