7 / 65

第一章・7

 行為を終えて衣服を整えながら、二人は何事も無かったかのように会話をした。  内容は、生々しいが。 「な、悦かった? 俺のテク、イケてる?」 「まあまあかな」 「厳しいなぁ、夏目は」 「もしよかったら、また誘ってよ」 「俺のダチに、ヤりたそうな奴いるんだけど」 「うん、宣伝しといて。あ、でも乱交はNGだから」  一日一人、一対一で。そして、スキンは付けて。  そんなルールを、忙しく頭の中で整え始めた都だ。  だが、男子生徒が部屋から出て行ったあとに、じわりと涙が浮かんだ。 「何で!? 泣くことないじゃん。僕はただ、便利屋として稼いだだけなんだから!」  のろのろとドアを開けて、都も部屋から出ていった。

ともだちにシェアしよう!