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第二章・3

「で、でも。何で、僕!? 他にもいるじゃない、Ωの子とか、女子とか!」 「だけど、便利屋は夏目だけだろ? 仕方ないじゃないか」  下手な感情移入をせずに、恋人を演じてくれる人物が欲しいんだ、と雄翔は言う。  どうして、そんなややこしいことを。  都は不思議に思ったので、訊いてみた。 「どうせなら、ホントの恋人を作ればいいじゃん。神谷くんモテるし、楽勝でしょ?」 「いやその……。最近、家庭教師に『交際の方法』を学んでてさ。実践してみたいんだ」  本当に恋人ができた時にしくじるわけには、いかないだろ?  そんな雄翔を、やはり都は少し苦手に感じた。  だが、それも仕方のないことだ、と諦めた。 (神谷くんと僕とは、住んでる世界が違うんだな)  お金のため、と割り切れば問題ない。 (たぶん神谷くんは、恋人ごっこがしたいんだ。一緒にデートしたり、勉強したり)  それで一日1万円なら、オイシイ話だ。  そのうち身体を求めてくるかもしれないが、別に構いやしない。 (もう、慣れちゃったし)  ふっ、と都は息を吐いた。

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