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第二章・6
(え……?)
雄翔ったら、1万円ポチ袋に入れて、学校終わるまでずっと楽しみに待ってたの?
とまどう都に、雄翔はようやく笑顔を見せた。
「止まったよ、鼻血。さあ、行こう」
「う、うん」
歩き出す都を、雄翔はじっと見ている。
「な、何?」
「手は、つながないのか?」
都は、何だか気恥ずかしくなっていた。
さっきは、自分から手を握ったのに。
「また、鼻血出るかもよ?」
「そうか。それは困るな」
じゃあ、と雄翔は小指を出した。
「小指つないで、歩こう」
都の頬は、赤く染まった。
(何か雄翔、すっごく可愛いんだけど!?)
「し、仕方ないなぁ」
二人は小指を絡ませて、カフェへと向かった。
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