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第二章・8

 そんな雄翔に、都はニヤニヤしながらミルクと砂糖を掲げて見せた。 「やっぱり、まだブラックは早いんじゃないの?」 「うぐぐ……」  僕、入れてあげるね、と都は雄翔のコーヒーにミルクをたっぷり、砂糖をちょっぴり足してあげた。 「どう?」 「うん、美味しい」  カフェ・オレになったコーヒーを飲みながら、雄翔は都に訊ねた。 「今の、ミルクや砂糖を入れてあげる、というのも、相手は喜ぶのかな」 「うん~、あんまり細かく考えないで、自分がやってもらって嬉しいことをしてあげればいいと思うよ」 「そういうもの?」 「そういうもの」 「じゃあ、夏目はフェラーリを贈ってもらったら喜ぶ?」 「飛躍しすぎ!」

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