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第三章・2

 どうしたんだろう。  やっぱり、契約違反なのかな。  席の雄翔を観察していると、時々こちらを伺うように見ている。 「なぁ、夏目。この3問め、どうしてこんな答えになるんだ?」 「ああ、それはね」  都は、友達に勉強を親切に教えてあげたが、雄翔にはそれが気に入らない。 (俺だけの便利屋、って言ったじゃないか!)  今すぐにでも、そう言って二人の間に割り込みたい。  ただそれは、プライドが許さなかった。  神谷家の長男として、鷹揚に構えるよう自分を叱った。 (いいんだ。放課後に、都を独り占めできるんだから)    そう考えて、気持ちを落ち着けていた。

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