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第四章・5

 どうしよう。  頭、ぼ~っとしちゃってる。  キス、久しぶり。  何だか初めての時みたいに、ドキドキする。  そっと唇を離した雄翔の目は、都の言葉を待っているかのようだった。 「あ、あの」 「ん?」 「今夜、弟たち帰らないんだ。お爺ちゃんの家に、泊るからって」  花火大会は夜にあるので、中学生がうろつけば補導されてしまう。  そうならないように、祖父母が保護者役を買って出てくれた。  花火が終われば、そのまま車で弟たちは田舎へ行く。  大好きなお爺ちゃんお婆ちゃんと、三日間ほど過ごすことになっているのだ。 「今夜、誰もいないから。だから」 「……」  無言の雄翔に、喋りながら都は後悔していた。 (こんなあからさまな誘惑なんかに、雄翔は乗らないよね) 「泊っても、いいの?」 「えッ!?」 「俺、都の家に泊っても、いい?」

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