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第四章・6

 どうしよう。  雄翔、泊るって言ってるよ!? 「狭いし、汚いよ!? いいの!?」 「都が、許してくれるなら」  都はもう、頭がぼうっとしてくらくらしていた。 「どうぞ……」 「ありがとう」  花火の後片付けをしながら、都はようやく我に返っていた。 (泊る、っていったらアレだよね。エッチするってことだよね)  出来るかな、僕に。  雄翔を愛してあげること、できるのかな。 「僕の体……」  発情が間近だと感じていた都の体は、売春をするようになってからすっかり静まり返ってしまった。  火照ることも無い、感じることも無い。 「僕、不感症になっちゃったのに」  雄翔のための部屋着をぎゅっと抱きしめ、都は不安に駆られていた。

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