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第四章・9

 固くこわばったままの都の体を、雄翔はキスをしながら静かに横たえた。 「あ、んぁ。はぁ、はぁ、あぁ……」 「緊張してる?」 「見れば解るでしょ、もう」  あの、さ。  都の傍に横たわり、雄翔はもう一度キスをして言った。 「別に、無理にセックスしなくてもいいんだから。だから、もっとリラックスしてくれないかな」 「え? エッチしなくてもいいの?」 「いいよ。何か……、都の体はちょっと変だ」 「ずいぶん失礼なこと、言うね」 「ごめん。でも、都はΩだよね。フェロモンというか、αを惹きつける何かが見当たらないんだ」  都は、息を呑んだ。  見透かされてる。  僕の変調、手に取るように解っちゃってる!

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