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第五章・5

 先にシャワーを使わせてもらい、雄翔を待つ間、都は大きな広いガラス窓から外を見ていた。  見わたす限りの、高層ビル。  その向こうに、かすんだ青い海と半島。 「夜来たら、夜景が綺麗だろうな」  いつのまにか、雄翔が傍に来ていた。 「はい、ミネラルウォーター」 「ありがと」  都にはぶかぶかのバスローブを、雄翔は自然に着こなしている。 「先に言っておくけど、無理なら我慢しなくてもいいから」 「うん……」  できることなら、僕も雄翔と結ばれたい。  最後の思い出を、作りたい。  飲み物を干してしまうと、都は自分からベッドに進んだ。

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