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第六章・12
何でも屋なんか、するんじゃなかった。
自分独りで、一人前ぶって。
大人の言う通り、田舎に兄弟三人で引っ越しておけばよかった。
お爺ちゃんとお婆ちゃんのお世話に、なればよかった。
挙句の果てに、お金目当てに恋人のふりまでやって。
罰が当たったんだ、僕。
神様の、天罰なんだ。
追い打ちをかけるように、雄翔が酷なことを言ってきた。
「俺、秋から転校するんだ。海外留学」
「雄翔、いなくなっちゃうの!?」
都は、もうテーブルに突っ伏してしまった。
ひどい。
ひどいよ、神様。
そこまで僕に、罰を与えるなんて!
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