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⑥判明したんですけど ─雷─⑥※

 手で扱くのとはまた違う、じわじわっとゆっくり目なせり上がり方の快感。   ギュッと握ってても力が抜けちまうから、どれだけケツが震えてようが俺がしっかり意識を保ってねぇとこのエッチは成立しない。  大会のバリエーションを増やした迅の思惑は、さっきからずっと言ってる謎発言に隠されてるんだと思う。  でも今、この状況で、考えられるはずねぇじゃん。  俺がめちゃめちゃ頑張って説明したくだりを全部スルーしたのは迅の方で、ちくびとダチのラインを余裕で飛び越えたコイツは、とうとう俺の体に何かを教え込むつもりだ。 「雷」  チン○に集中していた熱が、迅のイケボで一気に全身に飛び散る。  しぼんだり膨らんだり忙しい心臓も、今に限って呼び捨ててきた迅のタラシっぷりも、童貞男子に抗えるはずがない。 「わ、……ッ♡」 「……雷」 「わわわわ……ッッ♡」  イケボで呼び捨てなんか、狙ってるとしか思えねぇよ。  擦れる二本のチン○は今頃、二人分のカウパーでツヤツヤキラキラしてんだぜ。  エロ脳になった俺は、ぬちゅっ、ぬちゅっ、の音とチン○の感覚でずっと、漏れ出る声がふにゃんふにゃん。  俺の足を支えて腰を振ってる迅を見てると、壊れかけの心臓がとにかくうるさくて。  イケメンだとかイケボだとか見た目的なことじゃなくて、迅が俺とのエッチで気持ちいいってツラしてることが無性に嬉しいと思った。 「雷も、俺だからこうなってんだろ?」 「んッ……ンンッ! ふ、ん……、あッ♡ こ、擦れてる……っ、迅……ッ、熱いよぉ……っ♡」 「俺のも、こんなガッチガチなんだよ。 相手が雷にゃんだから」 「うぁっ♡ い、イケボ……っ♡」 「……それ言うなっつの」  言い当てられた照れくささで、つい目を瞑ってイケメンの眼力から逃れた。  ほんとは耳を塞いでイケボガードもしてぇところだけど、チン○を擦り合わせてのエッチ中は俺も協力しないと二人ともイけねぇから。  迅の腰の振り方が変わったのを見計らって、もっと密着したかった俺はケツを浮かせてみた。  これが合ってるかどうかなんて分かんねぇ。  だけど迅の前でならもう……ためらいとか恥ずかしいとかも無かった。  俺が最後まで守り抜こうとしたちくびまで、好きにもてあそばれたんだ。 シチュエーションにかこつけてるのは、俺も一緒。  だって迅が、こんなに優しくてエロエロなんだ。  ずーっと前から〝ダチ〟の境界線越えてた俺たちは、温泉宿・浴衣・非日常というキーワードにぶちのめされて、ついにエッチまでしてしまった。 「……雷にゃん、イきそうになったら教えろ。 早く動いてやっから」 「もうイくっ……イきそ、じゃねぇッ、イくぅぅッッ♡」 「相変わらず早えな」 「う、るせ……ッッ、迅……っ、あっ♡ あぁっ♡」 「気持ちいい? 雷にゃん、気持ちいい?」  摩擦が激しく濃ゆくなってきた時、絶頂間近だった俺も無意識に両手に力を込めてチン○を握り込んでいた。  くちゅくちゅ音が早くなると同時に、俺の太ももにある迅の手のひらにも力が加わったのが分かる。  「気持ちいい?」の言葉に、腰がぷるぷるっと震えた。  こんな時だけ優しいイケボを使うなんて卑怯だ……気持ちいいに決まってんだろ、ヤリチンめッ。  限界がすぐそこまできてる。 返事なんかムリ。  速く動くなって、確かに俺はそう言ったけど、ぶっちゃけこの速度が遅いのか速いのかもよく分かってねぇ童貞男子は、トロ甘カレシに見つめられながらイっちまうカノジョ的感覚だ。 「ふぁぁ……ッ♡ だめっ、……っ、やめ、ッ……迅んんッ──!」  ビクビクっとケツごと揺らしながら、力んだ手のひらの中で俺のチン○だけが精子を腹に撒き散らす。  イった直後、腕どころか全身の力が抜けてシーツに背中をぺたんと付けた俺の代わりに、迅がチン○を扱いてくれた。  最後の一滴まで出尽くそうとしてるみたいにコキコキされて、また腰が震える。  暗がりでも分かる茶色い天井を、ぼんやり見つめて二発目の余韻に浸った。 「気持ち良かった?」 「……はぁ、っ……はぅッ♡」  俺はこの時、フッと笑うイケボイケメンヤリチンなダチに、完全に見惚れてしまった。  迅っていつも、あんな風に腰振るんだ。  これはあんまり……知らなくていいことだった。 「俺まだだから。 ここ貸して」 「んにゃっ、な、っ……えっ!?」  まだ一発も抜いてない迅の迅様がヤバいらしかった。  ここってどこ?と首を傾げる前に、太ももの内側を撫でて俺の体をうつ伏せにした迅が、イケメン俳優ばりに不敵に笑う。  うわっ、カッコイー!!  なんて、迅狙いの女が騒ぎそうな感想をナチュラルに抱いた俺って何なんだ。 「雷にゃん……可愛い」 「あぁッ♡ だ、め……っ、まだ俺、ッ……イったばっかだ……ンンっ♡」 「可愛いな」 「迅ッッ、これ何して……ッ?」  女豹ポーズ(えちえち!)で、閉じるように命令された太ももの付け根辺りに、あったかくてまるっこい何かがプニッとあてられる。  腰に回った迅の手のひら、太もものすき間をヌルっと入ってきた迅様、〝可愛い〟の連呼……。  これはもしかして、もしかして……! 「ん、んっ、んーっ♡」 「雷にゃん元気だなー。 玉と裏筋攻められて気持ちいいんだ?」 「あっ……♡ あッ、うぅっ……♡ 俺また勃っ……?」 「あぁ。 俺に擦られて、感じてる」 「ふぅ……ッッ♡ み、み、耳ッ、やめ……ッ」 「雷、……ッ」 「ンン〜っ、ん、んっ……♡」  吐息混じりの呼び捨てなんかされたら、ひとたまりもない。  弱点の耳を甘噛みされると背中がゾクゾクして、密着した迅の肌の熱さにも異様にドキドキした。  迅が腰を振る度に、迅様が俺の太ももとチン○を絶妙に昂ぶらせてくる。  コレって、やっぱり……。 「迅……ッ、俺たち、……普通のダチじゃ、なくなっちまったな……?」 「……やっと気付いたか」 「う、うん……ッ。 微妙、だけど……あっ♡」 「なんで微妙なんだよ」  気付いてくれて嬉しい、……腰振るのをやめてまで、後ろからギュッと抱きしめてくれた迅の言いたかった事。 女を全部切った理由。  嬉しそうな迅の声と、太ももに挟まった迅様がさらに膨らんだ気がして、さらに複雑な気持ちになる。  やたらと痛かった心臓が今、一番の痛みを発していた。  まさか迅が、俺とのセフレ関係を望んでたとは……。

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