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⑪情交 ─迅─⑨※

 性感帯が多い雷は大変だ。  不意打ちで耳を触られては啼いて、俺の声にメロメロだからって喋る度に啼いて、キスすると喉で啼いて、首筋に吸い付いて痕を残すと非難の啼き声を飛ばす。 「迅……ッ、な、舐め方、えろい……ッ」 「んー」 「ふ、ぁッ♡ やら、ッ……やらし、……ッ」 「んー」  俺は夢中で、ツンと育った乳首を舌で転がしていた。  キスの時より卑猥な音がする。 自分の唾液で小せぇ乳輪まで濡らして、膨らみのない胸を揉んだ。  その中心にある飴玉より甘い乳首を舐め回しながら、もう片方を指先で摘んでは柔く触るを繰り返す。  感じてるのかくすぐったいだけなのか、まだよく分かってねぇ雷の気持ちは半々なんだろうな。  でもその初々しい反応がたまんねぇ。  そういえば初めて抜いた時も他人からの刺激に盛大に戸惑ってて、でも気持ちいい事には逆らえねぇ男の性が邪魔して結局、雷は俺の手腕に落ちた。 「ゆっくりでいい」 「ん、ッ? あッ……やんッ♡ な、なにが……ッ?」 「感じるまで時間かけていいってこと」 「いや、もう……ッ、気持ちいいような、……あッ♡」 「マジ?」 「くすぐったい、けど……ッ」 「フッ……まだまだその程度だろ」 「……ッッ?」  やっぱ半々なんじゃん。  最初から感じるなんてさらさら思っちゃいねぇよ。  こういう時に不名誉な伝説が役に立つのもどうかと思うし、これを口に出せば雷はまた勝手に凹んで暴走すっから多くは語らねぇけど。  ……分かんねぇかな。  乳首舐めてるだけでチン◯痛てぇくらいギンギンなの、雷だけなんだって。 「う、……あッ♡ 迅、俺……ッ、恥ずかし……ッ、マジで恥ずか死ぬ……ぅぅ、ンッ♡」 「そんな恥ずかしいなら、雷にゃんは俺の指舐めてろ。 気紛れるぞ」 「ん、へッ? ゆ、指……ッ?」 「フェラの練習」 「ヒッ……フェッ!? ……あッ……♡」 「すぐに〝やれ〟なんて言わねぇよ。 練習だ、練習」 「ンッ♡ んむぅッ??」  恥ずか死ぬを連呼しだした雷の口ン中に、右乳首を堪能していた俺の左手の中指を突っ込んだ。  嘔吐かねぇ程度に舌を軽く押して、舐めろと促す。 頼りなく肩に乗っかっていた雷の手のひらが、口内を占拠した俺の手首に移動した。  多分雷はワケが分かんねぇまま。  両手で俺の左手首を握って眉をハの字にしてんのに、ちゃんと中指に舌の感覚があるんだけど。  俺の言う通りにしなきゃって思ったとか? ……可愛すぎだろ。  可哀想な左乳首にシフトした俺は、中指に感じる拙い舌使いにめまいを覚えるほど興奮した。  マジでフェラされてるわけでもねぇ俺のチン◯が錯覚して、喜んでる。 めちゃめちゃ気持ちいいって。   「……んッ♡ ンンッ……迅、ちょっ……タオル取って、いい……?」 「……いいけど」  指フェラは数分で終わった。 悲しい。  舐めてる雷の方も集中出来なくなったんならしょうがねぇんだけど。  タオル捲ってぷるんっと正体を表した可愛い雷ジュニアを見ると、〝もう少し舐めてろ〟とは言えなかった。  雷の唾液で濡れた中指で、俺しか手触りを知らねぇチン◯をつんつんする。 てか今気付いたけど、コイツの勃起時のチン◯は俺の小指と長さが一緒だ。 「ンあ、……ッ♡」 「元気だな。 何日溜めてた?」 「はぁ、ッ♡ あン……ッと……三日、くらいッ?」 「三日だけ? おかずは?」 「ふぁ……ッ♡ おか、ず……言わなきゃ、だめ……?」 「ダメ」  へぇ……おかずあんのか。 それは聞き捨てならねぇな?  雷のチン◯をふにふに弄ぶ手付きが荒くなる。  俺ってもんがありながら、〝裸のお姉さん〟をおかずにシコってたらやっぱ切ねぇじゃん。  裏切ったな、と思うじゃん。  ンなの……キツめのお仕置きもんじゃん。 「うぅ……ッ! キモいって言うなよ、絶対!」 「言わねぇよ」 「じゃあ言う、けど……。 おかず、……迅の、声……」 「は? 声? どういう事?」 「き、キモいッ? 俺キモいよなッ?」 「そんなことねぇって。 どうやって俺の声入手したんだろって思っただけ」  ヤバ……ニヤけそうになった。  コイツはどこまで俺に惚れさせる気なんだ。  嬉しいからちょっと本気でチン◯を扱いてやる。  まぁピンとはくるけど、雷の口から全貌を聞きたくて先を促す俺って、自分でもSだなと思うわ。 「んッ♡ ンぁッ……♡ あ、あの、放課後、秘密基地で、……ボイレコ使って……ッ、あっ……♡」 「ボイレコ使って? 何?」 「も、もう分かんだろッ、? イジワル!!」 「いやぁ、分かんねぇなぁ。 東大入試問題並みに難問だ」 「えぇッ? ガチで分かんねぇのッ? 迅の声録音して、家帰って再生して、シコったってことだ!」 「……フッ……」 「キモッて思ったんならそう言えよー!! 恥ずか死ぬぅぅ!! ……ひゃンッ♡」  雷の好きな不意打ちで、感謝の気持ちを込めて右乳首をチュッと吸った。 右ばっか重点的に攻めてたからもう敏感になってやがる。  あー……なんだこの高揚感。  一から十まで説明ありがとな、雷にゃん。  おかげでまた心がふわふわしてるよ。  幸せいっぱい。  雷の可愛さ爆発中で、俺はどうしたらいいんだ?  前戯とも言えねぇこの時間が最高に楽しいんだが。 「はぁ……マジで可愛いなぁ、お前」 「か、かわッ……えッ?」 「そんなに俺の声好きなんだ」 「……すき、だけど……ッ、迅本体も、好きだぞ……!」 「本体って。 俺は着ぐるみじゃねぇよ」 「そういう意味じゃ……!」 「分かってる」 「……イケメン……ッ♡」  事あるごとにイケメンだのイケボだの、これが雷じゃなきゃ「バカにしてんのか」ってぶん殴ってるとこだ。  考えて発言するようなお利口さんじゃない雷だから許せるし、俺はそう言われて素直に喜ぶようになった。  おかずにまでなるって、自分じゃ分かんねぇけど俺どんだけイケボなんだよ。  いや、俺にベタ惚れの雷がちょっとイカれてるだけか。

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