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⑫ツンデレ彼氏が甘々なんですけど ─雷─③※

 〝パクッ〟は知らなかった。 マジで初耳だ。  みんなやってること?  迅のヤツ、俺が童貞男子でザラザラしたモザイクの向こう側をまったく知らねぇからって、騙そうとしてんじゃね?  初めてヌきっこ大会した時みたいにさ。  ……いやでも、今さらそんなウソ吐いたって何の得にもなりゃしねぇよな。  じゃあ、ほんとのこと? ほんとに、……? 「咥え……咥える、って……迅の迅様かなり太いんですけど俺の口に入りますかね? デカめのバナナだと思えばワンチャンいける……?」 「心の声ダダ漏れ〜」 「ハッ!!」 「いいな、そのツラ。 やっぱクソ可愛い。 雷にゃん見てたら舐めてもらう前に復活しそうだ」 「ま、待て待て! 俺がんばるからまだ萎えといてくれ!」 「そう言われても。 チン○制御出来たら苦労しねぇよ」 「……ごもっとも!!」  俺のハッとしたツラがいたくお気に入りの迅は、頼んでもねぇのにいきなり頭をなでなでしてくるくらいには、めちゃめちゃご機嫌だ。  ぐぬ……っ、その激レア微笑付きのなでなではドキドキすっからやめてほしい……!  イケメンってのはな、ちょっと笑うだけで胸に銃弾打ち込まれた並みの衝撃が走るんだよ。  迅がもうちょいブサイクだったらなぁ……目が合ったごときで心臓バクバクしねぇのに。  待て待て、好きになったらツラは関係無えかもな?  迅さん、どう思います? 「……雷にゃん、また余計なこと考えて意識飛んでるだろ」 「ンヘッ!?」 「俺じらされるのムリなんだけど。 ペロペロすんのか、しねぇのか」 「します、します!! ペロペロします!!」  じらしてるつもりは無かったぞ!  てか、勃たせてって言うわりにはすでにタオルがテント張ってますけど。  迅の迅様を拝むのは久しぶりだから、手に汗握るぜ。  しかも今からデカめのバナナをペロペロパクッすんのは俺だ。  果たして気持ちいいと思ってもらえんのか、難易度Ꮪの試練を前にタオルを捲る指が震えた。 「じゃあ、あのぉ……失礼しまぁーす……」 「フッ……」 「笑うなッッ! ……あぁぁッッ、今日もご立派ですねぇぇ」 「それはどうも」  迅様ったら……いつ見ても卑猥な色形をしてますこと。  ぶるんっと正体を表した迅のソレをためらいなく両手で握ってはみたが、ここからがモザイクの向こう側。  まるで同い年には見えねぇオトナびたチン○を顔の前にやって、迅を見上げた。 「い、いきなり咥えるもん? まずはペロ?」 「ペロで」 「お、オッケー」  ペロペロが先なのか。  よし、どこから舐めればいいのか分かんねぇけど、たぶん竿より先っぽの方が感じそうだよな。  形も棒付きキャンディーみたいでそれっぽいし。  握る時よりもためらいなく、俺は割れ目辺りをペロッと舐めてみた。 すると両手の中でほんの少しだけチン○がピクついた気がしたけど、他は変化ナシ。  なんだ。 全然いけそう。  経験も無ぇのにはじめっからやる気満々でいた俺。 つるんっとした先っぽをペロペロし続けても何の抵抗感も無かった。  むしろ興奮する。  四つん這いしてる俺の腰がうずうずして、ちょっと揺らしちまった。  迅のツラを見上げる余裕は無いけど、マジで棒付きキャンディー舐めてる感覚ってのは正しくて、夢中でペロペロしてられた。  いや、もちろん俺の好きなプリン味のキャンディーみてぇに甘くて美味いわけじゃねぇ。 チン○はどちらかというと無味。 匂いはボディーソープ。 ちなみに俺のは一発抜いたせいで多分、絶対、精液くさい。 「俺……他人のチン○舐めたの初めてだ……」  思った以上に先っぽはつるつるしてて、ぷにっとしてて、握ってるだけでギンギンな竿まで可愛く思えてくるってヤバくね?  とんでもなくやらしいコトしてんのに、ペロペロ初体験の感動が上回って鼻の奥がちょっとツーンとしちまってんだけど。  早くも〝最高の喜び〟を実感してる。 好きな人=迅のチン○は永遠に舐めてられるかもしんねぇ。 「初めてじゃなかったらぶっ飛ばしてる。 てか大丈夫? 雷にゃんが性交ルールに従ってんのは分かるけど、無理はするなよ」 「んーん、全然平気。 ……迅は? ペロペロじゃやっぱ気持ちよくねぇよな?」 「いいや、……気持ちいいよ」 「ほんとか!? でもどこがどう気持ちいいんだろ? このぷにっとしたとこ? 俺舐められたことねぇから分かんねぇんだよなぁ……」  よくよく考えたら、舐め方って教えようが無えじゃん。  経験値がえげつない迅も、男は俺しか知らねぇって言ってたし……どのタイミングでペロペロからパクッすればいいのか分かんねぇよ……。  うぅッ……他の野郎のチン○なんて考えたくもねぇが、迅に気持ちよくなってもらうにはこの際俺も経験積むべきなのか……? 「雷にゃん、手貸せ」 「ん? あッ、ちょっ……! 何す……ッ、あッ♡」  別のバナナをペロペロする想像してしょぼんと肩を落とした俺の左手が、迅に捕らわれた。 そして秒で喘がされる。  なぜなら真顔で見下ろしてきた迅から、いきなり左手の人差し指と中指をしゃぶられたんだ。  指の腹をそんなにやらしく舐められたら、そりゃ喘ぎもするし膝に力が入んなくもなる。 「俺も舐めてやるって言ったろ。 雷にゃんの指をチン○に見立てて舐めっから、真似してみて」 「えッ? あ……ッ、も、もうすでに気持ちいいんです、けど……ッ」 「感じてねぇでもっと俺のペロペロしろよ」 「ん、んッ♡ ……ふぅ、ンッ♡」  それは分かってます、分かってますよ迅さん……ッ!  俺の手を握った迅は器用にベロを動かして、フェラがどういうもんかってのを教えてくれようとしてんだろ?  見立てられんのか怪しいけどさ、教わんねぇより教わった方がいいじゃん。 俺、この手についての集中力ハンパ無ぇから。  優しい声色、優しい気づかい、優しくてやらしいベロ。 フェラのエキスパートとして手取り指取りありがとうだぜ、うん。  ただ一つ気になったんだけど。  優しい三拍子のその裏側で「もっとやれ」って聞こえましたが、気のせいっすよね……ッ?

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