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さん
「やっぱり王都は違うな」
「ジェイド目立つからやめて」
子供のようにはしゃぐジェイドに呆れながらも私自身こんな都会がこの世界にもあったのかと驚きを隠せない。
「これからどーすっかな?」
「どうしようか。雇ってくれるところを探す?年誤魔化したらいけないかな?」
「んーそうだな」
とりあえず当てもなく歩く。ローブを着た二人組なんて怪しいから凄く目を引いてる気がするけど誰も声をかけてくるわけじゃないからとりあえず進む。
まずは宿でも見つけないと。
仕事が見つかるまで節約をしたいので勿論部屋は一部屋だ。小さい頃から寒さを凌ぐためにジェイドと抱き合って寝ていたから特段抵抗はない。
むしろそれに慣れてしまったせいで一人で寝るほうが落ち着かなくなっている。それはジェイドも一緒みたい。
捨てられた経験。仲間がいなくなっていく経験。その両方も私のとジェイドにお互いへの依存心を植え付けているんだろう。
ジェイドが私だけのタチであればよかったのに。そうすれば一生離れる事はない。
そう思っていたから罰が下ったのだろう。
王都について仕事を探していて教えられたのは検査結果がどこも必要なこと。身分証代わりにもなる検査結果がなければ働くことが出来無い。
「どうする」
「検査をうけるお金はあるけど」
「大丈夫だ。絶対に」
何がとはジェイドは言わなかった。
万が一どちらかがタチの場合どうなるか考えたくもないのだ。十中八九どちらかがタチの場合ジェイドではあるだろうけど、タチと判明した時点でいくら孤児でも貴族等の上流階級から挙って求められる立場になってしまうのだ。
「大丈夫。俺はセツから離れない」
「私もジェイドから離れません。」
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