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第7話

「で? 何を求めた?」  シェリダンの腰を抱き寄せるアルフレッドに頬を赤く染めながらも、クレアたちが持ってくれている品々を指さす。 「レイルと、子供たちの物を。それから、お気に召すかわかりませんが、アルに似合いそうな物を」  クレアたちがアルフレッドに見せるようシェリダンが買った品々を見せた。王子や王女の物はラーナとミュシカに助言を貰ったのだというシェリダンに、ラーナたちは揃って王子の代わりに御礼を、と礼をする。  シェリダンは買った品の中から一つの細帯を取った。そう派手ではないが輝く玉や宝石が趣味よく散りばめられ、間に刺繍の施された逸品だ。シェリダンが差し出した細帯にアルフレッドは指を滑らせる。 「これは確かに良い品だな。シェリダンが選んでくれたというだけで、尚更輝いて見える」  サラッと告げられた言葉にカァッと顔を真っ赤にしながら、消えそうな声で「ご冗談を……」と呟いた。アルフレッドがこのように甘い言葉を囁くのはいつものことであるのに、いつまでも慣れず顔を赤くして恥ずかしがるシェリダンにアルフレッドはもちろん、側妃たちも頬を緩めた。 「それで、シェリダンの物は?」 「あ、いえ、それは――」  物欲がないだけなのだが、ほしい物がさして無いと言ったらここにいる商人たちの矜持を傷つけるのではと言葉を詰まらせるシェリダンに、アルフレッドは彼の後ろに視線を向ける。視線を受けたエレーヌは無言で首を横に振った。 「ではシェリダンの分は私が選ぼう。見せよ」  王妃であるシェリダンへの品を王であるアルフレッドが選ぶ。その言葉に商人たちは目を輝かせて雪崩のように各々の商品を手に勧めてきた。そのあまりの勢いにビクッと肩を震わせ無意識のうちに後ろへ逃げようとしたシェリダンの身体をアルフレッドは抱き寄せ、宥めるようにポンポンと優しく叩く。

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