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短編4話

「優志、お前良い体になってきたよなー」 「え?そぉ……?てゆか、いいからだ?」 「あぁ」  優志の体の表面を撫でながら、樹は感嘆の声を漏らす。優志は意味が分からず首を傾げた。 「腹筋、割れたりはしてないけどさ、筋肉ついてきたなって言ってんだよ、前はもっと細いっていうか、薄いだけだったのに」 「……あー……うん、そっかな……」  愛撫しながらそんな事を言われるのは照れる。恥ずかしくなった優志だったが、少しだけ不安にもなった。 「……樹さんは……オレが鍛えるの、やだ?」 「ん?」 「だから、オレが……筋トレとかするの反対?」 「なんで?」 「だって、腹筋割れたりとか……ムキムキになったりとか、そのあんま男っぽいの嫌かなって思って……」 「嫌じゃないよ」 「……ん……!」  乳首にちりっと痛みが走る。甘く噛みつかれ、だけどその痛みは直ぐに快楽に変わる。 「男っぽいって、優志は男だろ?」 「そうだけど……」 「……だけど、同じ男としては嫉妬するかもなー」 「そう?」 「あぁ……あと、まぁ……あんまりお前がもて過ぎるのも心配になる」 「別にもてたりしないよ」 「そうか?カッコイイと思うぞ、お前は」 「……」  押し倒されながら言われる台詞ではなかったが、真顔で言われれば嬉しくもあるが、恥ずかしい。 「一緒に筋トレする?そだ、樹さんもジムとか通えば?少しお腹出てきてるでしょ?」 「……お前、人が気にしてる事を……」 もうアラフォーと言ってもいい歳になるので、腹が多少出るのは仕方ないと思っているが、恋人にはっきり指摘されれば傷付くというものだ。 「あ、でもオレは気にしないよ、お腹出てても、禿げてても大丈夫だよ」 「禿げてないからな!」  ベッドの中だというのに、可笑しそうな笑いが響く。不貞腐れたような顔をしていた樹だが、優志の楽しそうな顔を見ていたら何も言えなくなってしまった。 「じゃあ、健康の為に一緒にジムにいこっか?」 「……考えておくよ」 「うん」  日頃の運動不足を自覚しているので、一考には価する。だが、やはり面倒だと樹は思ってしまう。 「樹さんには長生きしてもらいたいもん」 「……努力するよ」  そんな事を言われたら考えざるを得ない。  確か駅前にスポーツジムがあったよな、後で二人で見学にいこうか。  樹は頭の片隅でそんな事を考えた。 完

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