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第7話

 コーヒーを二人分淹れ冷蔵庫からケーキを取り出し、リビングへ運ぶ。ケーキは4号サイズより少し小さい位、二人で食べるにはちょっと大きい。  それを1/4にカットして、一片の乗った皿を樹に差し出す。はにかんだような笑顔を浮かべる優志を優しい瞳が見つめ返した。 「ありがとう」 「……美月ちゃんと作ったから……味は大丈夫だと思うんだけど……」 「いただきます」 「うん……」  ドキドキしながら樹がケーキを食べるのを見守る。口に含み、咀嚼を見つめる優志が可笑しいのか、樹はクスリと笑ったが優志にしてみれば真剣になるのも無理はない。  一緒に作ったとはいえ、これは初めて作ったケーキなのだ。 「美味しいよ」 「……ホント?」 「食べてみろよ、優志も」 「うん……いただきます……」  フォークでスポンジとクリームを切り取りそれを口に運ぶ。味を確かめるようにゆっくりと噛み締めていた優志の顔に、徐々に笑顔が広がった。 「美味しい……」 市販品のような洗練された味ではないけれど、柔らかいスポンジ生地に優しい甘味の生クリームは口の中を幸せにしてくれた。 「だろ、ありがとうな、嬉しいよ……」 「……樹さん……」  照れたように笑い、残りのケーキを食べ始める。1/4ずつだったけれど、控えめな甘さだったからか二人とも苦もなく平らげてしまった。 「また明日食べるか」 「うん……ケーキ美味しかった……」 「あぁ、ありがとうな」 「……作り方……ちゃんと教わって今度は一人で作れるようにするね……そしたらまた食べてくれる……?」 「勿論」  ソファーの中で肩を抱かれ、優志は少しだけ体を預けるようにして樹に寄り添った。 髪を優しく撫で、額にキスが落ちる。そんな甘い遣り取りがくすぐったくて、だけど嬉しくて頬が緩むのを抑えられない。 「優志」  それは樹も同じようで、顔一杯に広がった笑顔のままにキスをされた。唇が触れ、待ちきれないように優志から舌を差し入れた。  さっき食べたケーキのせいでお互いの口内は甘い、その甘さを貪るように深いキスを続けた。 「……はぁ……」  舌を吸われ、口内を舐められ、唇を食まれる。合間に零れた吐息はしっとりと甘く濡れていた。  キスをされながら、いつのまにかソファーに押し倒されていた。今度こそ、続きをしてもらえるのだろうかと、優志の瞳が期待に染まる。 「……優志」 「……ふぅ……ん……」  ティーシャツの裾から樹の手が忍び込み、脇腹をさわさわと撫で回す。キスは唇、顎から首へ、耳の中に舌が入り込みそのくすぐったさに肩を竦める。  樹の手は休まずに優志の体の表面を撫で回している。段々と登ってきた熱い手の平は、揉むように薄い胸を撫でると飾りで止まった。 「……あぁぁ……!」  乳首をぎゅっと摘まれ、思わず声が洩れた。その声に応えるかのように、両方を押しつぶされ、摘まれる。 「い、つきさん……」 「脱がしてもいいか?」 「……うん……」  万歳をして優志のティーシャツを脱がしている間も腹に、胸にキスが降る。痕を残さないような軽いキスだけれど、それだけでも体温は上がり、熱が溜まって行く。  白い半身にツンと尖り赤く色付いた乳首はまるで果実のようで、樹は貪るようにそれに食いついた。 「はぁぁん……や、いつ……きさん……!」  ちゅうっと強く吸われ、更に片方も強く指の腹で捏ねられる。緩急を付けて両方を丹念に愛撫され、段々と下半身に血液が集中し出す。  布地を持ち上げだしたそこには触れず、樹は執拗に乳首だけを責めた。 「樹さん……」  潤んだ瞳を向けても、樹は優志の望む答えをくれない。分かっていて焦らしているのだ。もじもじと太腿を擦り、下半身を揺らしても一向に触ってくれる気配はない。 「……樹さん……ぁ、あ……んん……も、そこはぁ……ぁあ!」  かりっと噛まれ高い嬌声が零れる。自分の甘い声に耳を塞ぎたいのに、出るのは媚びた糖度の高い声だ。 「樹さぁん……も、だめ……やぁ……んん……」  じわりと湿ってきているのが見なくても分かる、このままだと染みが出来てしまうから早く脱がせて欲しいのに。  自分で脱ごうとすると、樹はやんわりとそれを制止する。強制ではないけれど、腕を掴まれてしまうと優志ははしたない事をしてしまったと赤くなっていた顔を更に赤く染めた。 だけど、いつまでも我慢していられるものではない。情けない声で優志は樹に懇願した。 「……樹さん……」 「……乳首だけでもいけるんじゃないかと思ってな…」 「い、いけないよぉ……!……も、いじわる、しないで……」 「ごめんな、優志……」  ごめんなんて思ってないような雄の顔で樹は謝る。だけど言葉の通り、漸くスウェットを脱がしてくれた。  テントを張ったそこは危惧した通り濡れた染みが出来ていた。直ぐに脱がしてくれると思っていたのに、樹はそのままで中心に吸い付いた。 「……やぁ……!」  布越しにはむはむと噛み付かれ、その刺激でぐっと質量が増す。窮屈だし、何よりパンツが取り返しの付かない事になっている。  泣き出したい気持ちの優志の事などお構いなしに、樹は染みを広げていく。 「樹さん……や、ぬがして……」 「……洗濯すれば大丈夫だよ」 「ううう、大丈夫じゃないしぃ……」  パンツじゃなくて自分が大丈夫じゃない。涙目になっている優志を見て、樹はごめんと言いながら漸く全てを脱がしてくれた。  ぷるんと飛び出したそこは充血し、硬くそそり立っていた。涙を流す先端を手の平で包み込み、宥めるように撫でてから樹は大きく開けた口へそれを飲み込んだ。  柔かく、温かい口内に含まれる。じゅるりと吸い付かれ、優志の全身を快感が包む。緩急を付け吸い上げ、陰嚢を揉みしだかれ優志は限界を迎えた。 「い、樹さん……も……」 「いいよ……出して……」 「ぁああ……!!」  口の中で弾けた欲望を、樹は余す事なく飲み干した。口の端に付いた淫液でさえ惜しむように、舌で舐め取る。そのいやらしい舌の動きに目が離せなくなっていた。

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