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第2話
九州じゃ一番都会のはずなんだけど、この商店街はこじんまりしている。
でも、元々ど田舎育ちの俺には居心地が良い。
商店街の一番奧にあるのが写真屋で商店街の入り口にあるのが弁当屋。
写真屋でバイトの時は毎回、爺様のパシりをしている。
「アンニョーン」
弁当屋の隣のキムチ屋のチェさんが手を振りながら店先に出てきた。
「ども」
ペコリと頭を下げると目の前にニンニク漂うキムチを差し出される。
「じいとまーしゃんとタベテ」
チェさんは家族でソウルから引っ越して来て今年で10年目らしい。
「ありがとう」
彼が作るキムチは凄く美味しくて、有り難くいただいた。
「今日も暇?」
「今日はね2名お客さんが撮りに来るよ」
「よく潰れないね写真屋」
チェさんの言葉につい、頷きそうになる。
そう、潰れないのが不思議なくらい客があまり来ないんだよねえ。
この商店街では一番古いんだけど、時代の流れか家族写真とかあまり撮らなくなって仕事が少しずつ減っている。
家庭用のプリンターとかもあるし、デジカメのプリントアウトはコンビニでも出来るから。
寂しい時代だ。
「まーね、一応、小学校とかの写真依頼とかも来てるし、ボチボチかなあ?」
「頑張ってよ」
チェさんに励まされ手を振り弁当屋へ。
自動ドアが開き、中へ入ると誰かとぶつかりそうになった。
「おっとぉ、」
「すみません」
ギリギリで交わすけど肩を掴まれビクンとした。
絡まれる?
一瞬、そう思った。
「ユノ」
聞いた声に名前を呼ばれて相手の顔を見た。
「アキラさん」
知った顔にホッとした。
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