37 / 133

さらさらと……3

「でも…」 アキラさんは処理とか、……きっとトイレでしてるんだって思った。 我慢してくれてる。 いつでも俺にキス以外の事出来るのに。 お風呂も電気消してくれたし、 俺はどう応えたら良いのだろう? 「ユノの身体が硬直してんの分かってんのに無理やりとか出来ないもんな」 アキラさんは俺の事を本当に大事にしている。 「アキラさん…俺、あの」 アキラさんに手を伸ばす。 「き、気持ちいい事されたいです」 アキラさんの頬に触れて、思い切って言葉にした。 自分でもビックリなんだけど、アキラさんが一番ビックリした顔してる。 「ユノ…ありがとう。無理しなくて良いよ」 頭を撫でながら、そう言われた。 「む、無理じゃない!無理してない!き、今日だってパソコンで勉強したし!」 「パソコン?」 「動画とか、エッチなやつ見てべ、勉強した」 あーっ、俺、何か物凄くテンパってる? 「エッチな?男同士の?」 俺はこくこくって何度も頷く。 アキラさんは俺に笑いかけて、 「そっか、ユノはちゃんと俺の事、考えてくれてたんだな」 って、また、頭撫でてくれた。 「初めてだろユノ?俺が初めてでいいのか?」 「う、うん」 「痛いかも知れないぞ?」 「う、うん」 「明日、歩けないかも」 「えっ?」 そんなに凄いの? 「あはは、緊張してんなユノ」 アキラさんは俺に体重をかけて上に乗ると抱きしめる。 アキラさんの重みを初めて感じた。 「ありがとうユノ。でも、焦らずゆっくり行こう?」 「アキラさん」 「俺はさ、めっちゃ本気なんよ。ユノ中心で世界が回ってる。だから、今日のユノは流されてるって分かるんだ。俺の為に無理してる。めっちゃ怖いくせに」 アキラさんは……… やっぱ、凄い。 「勉強してくれてありがとう。」 ニコッと笑うアキラさん。 「俺、……あの、お風呂一緒入りたい。それくらいいいよね?」 「もちろん。手、使えないだろ?」 そう言われて、俺とアキラさんは一緒に風呂場へと向かう。 バスタブにお湯が溜められていて、 アキラさんが俺を起こす前に溜めてた事が判明。 気が利くアキラさんについ、笑った。 服を脱がせて貰う。 下を脱ぐ時に電気を薄暗くしてくれて、ああ、本当にアキラさんは俺を大事にしてくれてるって感じた。 だから、 自分から電気を点けた。 「ユノ、消さないと?」 驚いたような顔のアキラさんに、 「うん。消さないとよ」 と返事を返した。 「ちょっとづつ、慣れたいから」 俺の本当の気持ち。 流されてなんかいない。 「そっか、じゃあ恥ずかしくなったら電気消して良かよ」 アキラさんは何だか嬉しそう。 「うん」 そして、全部脱いだ。 うーっ、めちゃくちゃ恥ずかしいーっ。 アキラさんも全裸だから、目のやり場に困り目を閉じちゃう俺。 そしたら頭をポンポンと叩かれて、 「風邪引くから早く風呂入ろう」 とアキラさんに背中を押され、中に入る。 ドキドキが止まらないーっ! 身体を洗って貰う間もドキドキで、つい、目を閉じたまま。 髪も洗って貰ってるから、 「ユノ、小さい子みたいだな」 クスクス笑われて、思わず目を開けた。 アキラさんの鎖骨辺りが視界に。 そして、胸も… 「目、開けちゃったけどシャワーかけるぞ?」 アキラさんはまるで保護者みたい。 アキラさんのシャンプーは流石、美容師!上手いというか気持ち良いっー! 「ほら、湯船入るぞ」 2人で湯船に。 ウチの風呂はゆったりだから2人で入れる。 しかも、俺はアキラさんに抱っこされてるんだよな。 「こら、手動かすな」 ビニールを巻いてる手を危うく湯船に入れそうになりアキラさんにキャッチされた。 アキラさんの肌の感触。 「ユノ、寄りかかっていいよ」 ぐいっと後ろへ引っ張られた。 「ユノ、ありがとうな。」 「え?」 「努力してくれとる事。電気つけたまま風呂とか、結構無理しよるやろ?」 俺は首を振る。 「してない。そりゃちょっと恥ずかしいけど。だってアキラさんみたいにカッコイい身体じゃないから」 色白で貧弱そうな俺の身体。

ともだちにシェアしよう!