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さらさらと……4

「ユノは自分の魅力とか気づかんよね。まあ、そこも好きっちゃけど」 アキラさんは俺の顔を自分のほっぺたにくっつけて、 「でも、気付かれたら気が気じゃないかもな。」 そう言うけど、俺はきょとん。 で、気付く!足が伸ばせるバスタブだから、つい、足伸ばしてるけど……めっちゃ俺のが丸見えだった! アキラさんのが大きいから、恥ずかしくなるよ。 か、隠したらアキラさんは俺がまた流されてるって心配するかな? 視線がそこに注がれてるわけじゃないけど気になる! 「ユノ、恥ずかしいなら足立てていいぞ?」 クスクス笑うアキラさん。 ば、バレてた…。 「もじもじしてるからさ」 「だ、だって、俺の小さいし」 自爆。 「誰と比べてんの?」 「アキラさん」 「小さいとか思わないけどな」 その台詞で俺のを見られてたと実感。 うひゃー恥ずかしい! 「ユノ……耳まで赤いぞ?のぼせたかな?」 ううっ、何でもお見通しなアキラさん。 「誰かに裸見られるの初めてだから、恥ずかしい」 「ユノの初めてをたくさん独り占め出来て幸せかもしんない」 アキラさんは俺の肩ごとぎゅっと抱きしめてくれた。 「俺も……アキラさんとたくさん初めて出来て嬉しい」 そう…色んなアキラさんをみれて嬉しい。 「あー、もうユノーっ反則だぞーっ、そげん可愛い事言うからさ元気になったろーが」 アキラさんが言った意味が分かった。 お尻に当たるカタイもの。 他人のを肌で感じたのは初めて。 ドキドキした。 「引いた?」 俺が黙ったから心配そうなアキラさん。 「違う、だって…俺に反応とか、色気もなんもないし、その……初めてだから分かんない」 全てが分からない。 俺に反応してくれる理由も。 だって、雅美さんとかなら分かるよ。あんな色気ある人とかなら勃起すんの分かるもん。 「ばかだなユノ、手を握ったりキスしたり、一緒に居るだけで俺はドキドキしてんだよ。だから、色気ないとかさ、ユノは凄く可愛いんだよ?どんな言葉も刺激的に聞こえる」 うひゃー、アキラさんってば! 「照れます」 俯いて悶える俺。 そんな俺をアキラさんは顔を上げさせ、キスを軽くされた。 「長湯しない内に上がろうか?」 アキラさんと一緒にお風呂から上がった。 身体拭いて貰う行為はめちゃめちゃ恥ずかしいから、流石に下半身は自分で拭く。 アキラさんは裸族だから服を着ないのだけど、パンツは履いてくれる。 俺の目のやり場とかね、ちゃんと気にしてる所とか好きかもしんない。 ソファーに座らせられ、髪を乾かして貰うと気持ち良すぎでしょ!って、ウトウトしちゃう。 頭髪部分はやはりアキラさんが美容師さんだって感じちゃうなあ。 そして、目を開けるとベッドというパターン。 アキラさんも一緒。 抱っこして連れてきて貰ったんだって思ったら、やっぱり嬉しい。 無理やり嫌な事をしない。俺を大事にしてくれる。 でも、無理をさせたくない。 我慢して欲しくないと思う。 どうしたら良いのだろう。 ******* 「じゃあ、ユノ、あまり無理すんなよ。夜はなるべく早く帰るから」 アキラさんに店まで送って貰った。 ほんの数分なのにアキラさんは送りたがった。 ユノは可愛いから誘拐されちゃうだろ?なんて、アキラさんは過保護だ。 「アキラと一緒だったね」 商店街の入り口に入ると雅美さんが笑顔で立っていた。 「おはようございます。それと、仕事休んでしまってすみません!ご迷惑かけてしまって」 頭を下げる俺に、 「ユノ、堅苦しい挨拶はなしでいいよ」 ニコッと笑う雅美さんは 「アキラ、本当は店まで着いて来たかっただろうね」 とも続けた。 「今朝、ずっと送るって言い張るから」 「愛されてるね」 雅美さんは俺の頭を撫でる。 「雅美さん…あの、相談があるんですけど」 「ん?何?」 「いや、ここではちょっと」 商店街の入り口で出来る相談ではない。 「お昼休みとかで」 と、話ながら店に向かって行く。

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