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アツアツと……3話
◆◆◆
「ユノ、おいで髪を乾かしてあげるから」
アキラさんに呼ばれて俺は側に行く。
ドライヤーの風を髪に感じて、それと同時にアキラさんの手の感触も。
この手の感触は気持ち良くて好き。
「ユノの髪はサラサラやねえ」
「そお?」
自分では分からないし、女の子でもないから髪質とか気にしてはいないけど、アキラさんは美容師だから気になるのかな?
「触るの気持ち良かけん、好きやな」
「えっ?本当?俺もアキラさんに撫でられるの好き」
振り返りアキラさんをみる。
「本当……ユノって」
アキラさんは言葉をためて「ばり可愛い!!」と言った。
可愛いとか男に言う言葉やないのになあ。でも、嬉しい。
「そげん、可愛い事いうなら襲うぞ?」
トーンが高い口調だから冗談だろうって思うけど、俺は「……いいよ?襲っても」と言ってしまった。
アキラさんとのセックス……気持ち良かったんだもん。
「ユノ……そういう冗談はいかんばい!」
アキラさんは俺の髪をクシャクシャと撫でる。
「じょ、冗談じゃないですから」
俺はその手を掴むとぎゅっと握った。
「ユノ……」
アキラさんはドライヤーを止めてその場に置いた。
「明日仕事やろ?」
「アキラさんもでしょ?」
「くそ!手加減しないからな!」
アキラさんはそういうと立ち上がり、俺を軽々とお姫様抱っこした。
「ちょーー!アキラさん!!」
驚いてアキラさんをみる。
「このまま寝室行き!」
アキラさんの顔は赤い。お風呂上がりだからかな?それとも……俺に興奮してくれてるからかな?興奮してくれるなら嬉しい。
もう、子供扱いしないよね?
大人の行為をするのだから……我慢とかしないよね?
アキラさんが我慢とかするの嫌だ。
◆◆◆
「ユノ、身体大丈夫?」
朝、アキラさんに心配された。
「うん、大丈夫」
「立てる?一応手加減したけど」
心配そうなアキラさんの為、俺は立ち上がる。少し足の付け根に違和感があるけれど、大丈夫だった。
「大丈夫だよ?アキラさんは心配症だよね」
ふふと笑った。
「んー、心配するよ?だって、ユノ初めてだっだろ?」
はい……そうです。この年で経験ないとか恥ずかしいけどね。
「アキラさんが優しくしてくれたから」
「……っていうかユノ、目のやり場に困るな」
少し笑うアキラさん。
あ、そうか、俺……素っ裸。
「アキラさんはいつも裸族のくせに!」
「俺はいいんだよ!好きな子が裸でいたら興奮するだろ?」
アキラさんはそう言うと立ち上がる。
「シャワー浴びてご飯食べようか?」
頭を撫でられた。
「うん」
俺とアキラさんは一緒に風呂場へと向かった。
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