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アツアツと……4話
◆◆◆
「ユノ、歩き方なんか変じゃない?」
雅美さんの言葉にドキッとした。
「えっ?そうですか?」
「うん、なんか歩きづらそう」
「そ、そんな事ないです」
俺は必死に誤魔化した。まあ、実際……違和感があるから歩くのが下手になっている。
「……ユノって嘘つけないよねえ」
雅美さんはニコッと微笑み、俺の首筋を指さす。えっ?なに?と思ったけど、あっ!!と直ぐに理解した。きっと、首筋にキスマークがあるんだ!!それで、雅美さんには分かって。
「あ、あの、これは」
顔が熱い。もう、ここで死んでもいい。
雅美さんはニコッと微笑んで俺の頬に冷たい飲み物を押し当てた。
「服着る時に注意した方がいいねえ、他の人とかにもからかわれるよ?」
うっ!!と思った。
「それで顔冷やして……ふふ、顔真っ赤でユノ可愛い」
クスクス笑う雅美さん。
「ううっ、すみません」
何故か謝る。
「何で謝るの?幸せな事でしょ?」
「は、はい」
俺は更に顔が熱くなる。
確かに幸せな事だ。
「ふふ、ユノ、仕事にならないよね?だったら、一緒に行く?」
「えっ?どこにですか?」
「写真頼まれたんだよ、近くの幼稚園」
「えっ!!いきます!」
たまに学校や幼稚園、施設とかで呼ばれたりする。イベントがあると写真を撮る仕事が舞い込む。
俺はそういうイベントの仕事が好きだった。子供達可愛いし。
雅美さんの助手もできるし。
じい様に店番を頼み、道具を車に詰め込み、出発。
「ユノは子供達に人気あるからついてきてくれて良かったよ」
「えっ?雅美さんやじい様も人気あるでしょう?」
「あと、ユノは中高生にも人気ある」
「は?」
「王子様とか言われてるよ?」
「嘘だーあ!」
「本当!だって、ユノは可愛いでしょ?」
雅美さんは俺の頭を撫でる。
雅美さんの手はアキラさんと違う感じで……こっちも好きだ。
優しく撫でてくれる。雅美さんに撫でられると安心する。
アキラさんとは違う安心感。
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