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アツアツと……7話

「別に嫌とかじゃない……ただ、2人の対話だったから俺が入るのもなあって思ってただけ」 「……本当に?」 俺の言葉にまだ半信半疑みたいな顔をしてくれちゃって、俺ってどんだけだよ? 「うん」 「そっか、良かった」 ホッとした顔を見て俺もホッする。なんか……マジで悪者っぽかったから。 「なあ、川畑が無口だったのって今みたいな感じだった?」 「えっ?何が?」 「ほら、休み時間とか結構、川畑の近くで雑談してたんだぞ?お前が会話入って来ないかなあーってさ」 「は?何それ?」 「お前が興味ありそうな話題とか頑張ったんだけど、物の見事にどの話題にも食いついてくれなかった」 「……それ、俺に話振ったりした?」 「ううん、側で話してただけ」 「じゃあ、会話には入らないよ」 「なんで?」 「なんで?なんでって聞く?だって、その仲間達内の会話だろ?入らないよ?話振られたらまだしも……」 「えー、入らないのかあ?俺とか興味ある会話乱入してたから、てっきりお前も会話入ってくるかな?って思ってた」 マキタキイチはまた一気にテンションを下げた。本当、面白いよなあコイツ。そして、ふと、いつも、マキタキイチが側で何か話していたのを微かに思い出した。 俺の席の隣の男子と仲良しなのかと思ってたんだけど、あれって……俺と会話する為? わざわざ?変わってんなあ……マキタキイチ。 「ごめんね、うちのユノ……一対一ならちゃんと話すんだよ?そんな遠回りせずに話かければ良かったのに」 雅美さんはクスクス笑う。 「だ、だって……何話していいか……それに川畑って女子の人気あってさ……川畑の横にいける野郎とかクラスには居なかったと思う、比べられちゃうから」 「は?何を?」 「顔だよ、顔!」 マキタキイチは俺の顔をビシッと指さす。 「はあ?何言ってんだよ?どこにでもある顔だろ?」 「うわあ……なんかムカつく!お前みたいな顔立ち整った奴とかそんないないし、いるとしたらモデルとか芸能人になってるだろう?」 「……お前ばか?」 「んん?ばかって言いました?川畑さん?」 「言ったよ、眼科いけ、眼科!弁当配達ついでに診察してもらえよ!」 マキタキイチはどうも視力が悪いみたいだ。モデルとか芸能人とか……あんな雲の上の人達と一緒にするなんて。 「あはは、ごめんね、うちのユノが……ユノ、無自覚なんだよ」 「えっ?無自覚?」 「そう!自分がモテるとか顔が可愛いとか全く気付いていないから」 ふふっと雅美さんがそう言って笑ったと同時にとり天定食が運ばれてきた。 凄く美味しそうな匂い。 会話は一時、お預けになる。

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