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あらあらと……9話

ぷにってやわらかい唇だった。 唇を離して、雅美さんの寝顔を見る。 ほんと、可愛いなあ。髪の毛もサラサラ……髪に触るとつい、頭を撫でてしまう。 いつも、雅美さんが頭を撫でてくれるように。 撫でられると安心する。手のひらから優しさも伝わるから。 「俺……写真屋にずっと居たいなあ」 つい、本音が漏れる。 居なくならないでほしい。 幸せを感じたらその幸せが離れて行きそうで怖い。 雅美さんに言われた怖がりは当たりすぎて……胸がキューとなってしまう。 「怖くなくなりたいな……」 俺は雅美さんの隣で……というかソファーの下に寝転んで目を閉じる。 ◆◆◆ 「ユノ」 身体を揺すられて目を開けた。 「アキラさん……」 目を開けるとアキラさんが俺を見下ろしていて、あれ?と身体を起こした。 俺はソファーに寝ている。 んん?床に転がってたよね?俺……。 「雅美さんは?」 ここには雅美さんが寝てたはず。 「まーは帰ったよ。で、夕飯作ってくれてる」 「えっ!!マジで」 アキラさんが帰ってきてるって事は俺はかなり爆睡してたんだろうなあ。 雅美さん……夕飯まで。 「ユノはもう大丈夫?」 アキラさんは心配そうに俺を見る。 「うん、体力回復してる」 「そっか、良かった」 アキラさんはホッと息をついて、俺をギュッと抱きしめる。 「あんな無茶しないから……ごめん」 抱き締めて反省の言葉を言う。でも、それはアキラさんだけのせいじゃない。 「謝らないでよ、俺がそうしたいから……誘ったんだもん」 「ユノ……」 アキラさんは俺の顔を見て「それも誘ってるポイぞ」と笑う。 「そんなつもりは……」 ちょっと、顔が熱くなる。 「あー、もう、ほんと、そげん可愛か顔すんなって!!我慢できんけん」 アキラさんはさらに腕に力を増す。 「と、とりあえず……ご飯食べますか?お風呂?」 「新婚か!!」 アキラさんに変な突っ込みを貰った。 「その質問の答えを欲望のままに言うならばユノやけんな!」 アキラさんは俺をそのままソファーに押し倒す。 「ほんと、ユノは……」 そう言ってキスをたくさんされた。 キスをたくさんされたあと、ご飯食べてお風呂……という順序を決めた。 折角、雅美さんが作ってくれたご飯を食べないわけにはいかないもんね。 そして、お風呂……。 お風呂でアキラさんに執拗に後ろを洗われた。 やっぱ……するよね? 明日……仕事行けるよね?雅美さんに無理しないでって言われたばかりなのに、俺は学習能力がないみたいだった。 ◆◆◆ 優しくしてくださいと言うべきなのだろうか? 風呂をあがると早々、ベッドでアキラさんと抱き合う。 身体中、キスされて……後ろも触られて……。 「アキラさん……」 優しくお願いします。って言おうとしたけれど、雰囲気怖そうで言葉を飲み込んだ。 アキラさんのが俺の中に挿ってきて……俺はアキラさんにしがみつく。 ベッドが揺れて……アキラさんの荒い息が聞こえて……ああ、気持ちいいんだなって思った。 俺で気持ち良くなってくれるのは嬉しい。俺を必要としてくれているから。 明日……頑張って仕事すればいいかな?って思ってアキラさんの好きにさせた。

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