121 / 133

あらあらと……12話

◆◆◆ 家に帰ってアキラさんに報告すると、アキラさんまでも「え!!貴一と写真撮り?良か良か!行っておいで友達とどこか行くって楽しいばい」とニコニコされてしまった。 なんだよう!皆して……まるで小学生になったばかりの子供が友達出来たって喜ぶ親みたいな反応は!! ちょっとむくれて「皆、俺を小さい子供みたいな扱いばしてさ」と文句を言った。 「まーとじい様にも言われた?」 アキラさんに聞かれて頷く。 「あはは、そりゃ、むくれるな……でも、良い事ぞ?ユノはもう少し他人と関わった方が良い」 アキラさんに頭を撫でられた。 「でも、不自由しなかったよ?雅美さんやじい様やアキラさんが居るし……あと、商店街の人とか」 「ユノは小さい世界におったらいかんばい?もっと、沢山……楽しい事とか辛い事とか……体験して良いと思う」 辛い事……それは既に体験した。 お父さんが居なくなった事。置いていかれた事。 きっとアキラさんの言う辛い事は将来役に立つ何かだと思う。苦労は買ってでもしろって言うし。 何も知らなかったら他人の立場になれず、きっと傷つけてしまうから。 あ……もしかして、貴一の事も傷つけてたりしてたのかな? 俺は彼をすっかり忘れてて、でも、アイツは俺をちゃんと覚えてて、写真一緒に撮りに行こうとかピザとか食べたり。 俺……他人に関わらないようにしていたからそういう事とかに疎い。 「アキラさんは俺に友達出来て嬉しい?」 「嬉しいよ?」 ニコッと微笑まれた。その笑顔は雅美さんとじい様と同じだ。 喜んでくれている。 「ありがとう」 「へ?」 俺の突然の礼にキョトンとするアキラさん。 「友達出来たって喜んでくれるなんて思わなかったから」 「ああ……」 お礼の意味が分かったのかアキラさんは俺の頭をくしゃくしゃ撫で回すと「ユノが好きだからユノに変化が起こると俺も嬉しいからな」微笑んだ。 アキラさん……優しい。 俺はアキラさんの身体に抱き着いた。 「何?何?どーした?」 「甘えてる」 俺か答えるとアキラさんも俺を抱き締めてくれた。 「そんな可愛い甘え方すると襲うぞ?」 なんて言われて「いいよ、襲って」と言った。 アキラさんは迷わずに俺をひょいっとお姫様抱っこしてソファーへと下ろした。 そして、俺を押し倒すとキスしてきた。 そのキスに応えるように自分から舌を絡ませて、アキラさんの首筋に両手を回した。 キスは何度も落とされて……首筋とか舐められて、そして服を脱がされた。 「このままここでしてもいい?」とアキラさんに聞かれたから頷く。 「アキラさんならどこででも愛していいよ」 耳元でそう言ってしまった。 ◆◆◆ そして、貴一と約束の日。 なんと、アキラさんと雅美さんからお弁当を作って貰ってしまったのだ。じい様には小遣い。 3人に見送られるハメになる。 なんて過保護な3人。 でも、すげえ嬉しい。

ともだちにシェアしよう!