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ゾクゾクと…… 2話

ちょー!!!ここ、外おおおお!!! アキラさんのキスで俺の心臓は爆発しそうなくらいに脈打つ。 「顔、真っ赤」 アキラさんの唇は直ぐに離れ、俺の顔を見て微笑んだ。 「あああ、アキラさん、ここ、外です」 「ふふ、誰も居ないから、つい」 ニコッと笑うアキラさん。 「もうう!!俺、心臓がバクバクいってます!」 「どれ、あ、本当だ」 アキラさんは俺を後ろから抱き締めたまま、片手で胸を触った。 うひゃー!!!アキラさんんんん!だから、ここ外おおおお!!! アキラさんの大胆な行動に俺は倒れそうだ。 「本当、ユノって可愛いリアクションするよね」 アキラさんは俺から離れた。 「顔、まだ真っ赤」 俺の顔を見つめてくるアキラさん。でも、俺は赤い顔を見られたくなくて、そっぽを向く。 「ユノ、怒ったと?ごめん、からかって」 そっぽを向いてるからどんな顔でアキラさんがそう言っているのか気になり、顔を向けた。 「ユノが可愛いからさ……ごめん」 アキラさんはションボリとした顔。 ああ、こういう顔も好きかも……凄く可愛い。 「怒ってないです」 「本当?」 ハラハラしたような顔。これもまた、いいなあ。可愛いなあ!アキラさんみたいな大人もこんな風に可愛い顔が出来るんだな。 雅美さんもそうだけど。 「本当です」 俺がニコッと笑うとアキラさんは安心したような顔になった。 俺の態度でこんなに沢山のアキラさんの表情を見れて嬉しいかも! 「あれ?アキラ」 後ろから雅美さんの声。 「ユノ、戻って来ないから」 「あ、すみません、アキラさんにバッタリ会って」 説明をしながら、ふと、もし……さっきみたいに後ろから抱き締められてキスされた所を見られたら?と考えてしまった。 うわあああ!!恥ずかしい!!!死ねる!軽く死ねるよ、俺は。 「あれ?ユノ顔が赤いよ?熱ある?」 雅美さんの手が伸びた。 「うわあ!ちが、違います!ないです」 恥ずかしさに後ろに下がってしまった。 雅美さんはキョトン。まあ、そうだよね。キョトンとするよね……俺の考えが分からないから。 「今夜、飲み会するんだろ?俺、行くよ」 恥ずかしくて死ねる俺の前にアキラさん。 まるで、顔が赤い俺を隠すみたい。 「うん、そうだろうと、店、アキラ入れた人数で予約した」 「あはは、相変わらず仕事早いな」 「断らないだろ?ユノの為なら」 クスクス笑う雅美さん。 「アキラ、店いいの?」 「あっ、そうだった」 アキラさんはスマホで時間を確認すると「仕事終わったら写真屋行くから」と言って美容室へ戻って行った。 ふおおお!!アキラさんは心臓に悪いよ。本当……。 「ユノ、顔赤い理由当ててあげようか?」 「へ?」 俺は驚いて雅美さんを見た。 ももも、もしかして……見てた? 焦る俺。 雅美さんは俺を少しの間、じっと見て頭をくしゃくしゃと撫でた。 「ふふ、じい様には言わないから」 と言って写真屋へ戻って行く。 うわあああ!!やっぱり、やっぱり、見られてたんだあ!! 死ねる!もう、俺は死ねる!! ◆◆◆◆ じい様馴染みの居酒屋で飲み会。 座敷で個室。 周りに沢山の人達がワイワイしているイメージだったけれど、座敷だったので俺は少しホッとした。 何故なら、俺はあまり居酒屋には来ない。 飲みに行く程仲が良い友達とか居なかったし、あと騒がしいのが苦手なのだ。 知らない人の中で飲むという行為が苦手。 だから、個室で良かったし、座敷っていうのもいい!! しかも、メニューは思ったより高くないし、種類も沢山で美味しそう。 「ユノ、何が食べたい?」 メニューを見ながら雅美さんに聞かれたが悩んでいる俺。 「何や、ユノ、そげん真剣な顔で、食べたいもん言わんと勝手に頼むぞ」 じい様に言われて「うん、じい様にお願いする」と答えた。だって、俺ってこういうの慣れていないし、優柔不断で何時までも悩むと思うから。 「ユノは好き嫌いあんま無さそうだよな?」 アキラさんは俺の横に座っている。 「うん、出されたら食べるよ」 「偉いなあ、俺なんて好き嫌い多いというか、食わず嫌いが多いから」 アキラさんは俺の頭に手を乗せてパフンパフンと2回軽く叩いた。 うう、普段はこの行為、照れないんだけど……昼間の事を思い出して恥ずかしい俺です。

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