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ゾクゾクと…… 3話
顔が熱い……もしかしなくても顔、赤いかな?
ここ、証明が暗いから顔赤いのバレないよね?
ちょっと、気にする俺。
ふと、雅美さんから視線を感じてそっちを見たら、本当に俺の方を見ていた。
頭、ポンポン見られた……いや、じい様にも見られているんだけどね。
雅美さんはキス見られているから恥ずかしいんだよおおお!!
「ユノ、アルコール一緒に頼んだよ」
雅美さんは微笑む。
「う、うん」
その微笑みが何か言いたげで俺は雅美さんの目を見れなかった。
◆◆◆◆
お酒が先に運ばれて来た。
じい様は日本酒。
アキラさんはビールで雅美さんは梅酒……で、俺の前に置かれたのはカシスオレンジだった。
んん?なんで俺だけ女の子みたいな飲み物?
「ユノって日本酒とかビールとかより、そういうのが似合う」
と雅美さんに言われた。
似合うって……女の子が飲みそうなのに。
「確かに似合うな」
アキラさんも同意しているし、じい様は自分で酒をついでいる。
「じい様、俺がつぐから」
俺はじい様の日本酒の瓶を持つ。
「何言いよっとか!主役はお前ぞ?主役に酒ついで貰えるか!」
じい様に奪い返された。
じい様が酒をついだので、そのまま乾杯になった。
「ユノ、完治おめでとう」
3人に言われて「ありがとう」と照れながら返す。
嬉しい……。こんな風に飲み会とか開いてくれて。
施設では誕生日パーティーは同じ月の子達と合同だったし。
「本当はユノとこうやってお酒飲みたいって僕もじい様も思ってたんだけど、なかなか機会無かったからね」
「ユノは外食とかあんましたがらんけんな」
雅美さんとじい様の言う通り、俺は外食しないからな。
「俺もユノとお酒とか飲みに行きたいって思ってた」
アキラさんも。
「ありがとうございます」
俺は3人にペコリと頭を下げた。そんな風に言って貰えるって嬉しい。
「何改まってんの?」
クスクス笑う雅美さん。
「居酒屋とかたまにいいなって思うけど、家で飲むのもいいですよ?」
俺は3人にニコッと笑う。
居酒屋の料理も美味しいけれど、缶ビールや自分で作ったおつまみの方が安く済む。
結局はお金……だな、俺って。
「確かに家でもいいね」
アキラさんはビールを飲みながらに言う。
大人の人はビールや日本酒が良く似合う。
俺は……カシスオレンジのグラスを見つめる。
確かに俺はこっちだな。
自分で納得して、ぐいーっと飲んだ。
その後は料理も来るし、アルコールの追加も次々と来た。
気付くと俺は凄く良い気分になっていた。
◆◆◆◆
お酒って気持ちいい……。
俺はフワフワした気分になっていて、自分の状況を全く知らなかった。
気持ちいいなあって目を開けたら、俺を見下ろす雅美さん。
あれえ?なんで、見下ろされてんだろ?
俺は不思議だった。
「なんれえ、雅美さん、おれをみおろし……てんのお?」
なんか、フワフワして言葉も上手く喋っていない気がする。
俺を見下ろす雅美さんは「ん?ユノが酔って寝ちゃったからだよ?」と答えた。
「ん?おれ、酔ってないよお……ねえ、じい様とアキラさんは?」
「じい様はお金払いに行ってる、アキラはトイレ」
「雅美さんはなにしてんの?」
「ユノを膝枕してるよ?」
ニコッ微笑む雅美さん。
「ユノはお酒弱いね」
「弱くないよお」
「弱いよ」
「弱くないもんねえ」
起き上がろうとしたけど、力入らなくて、畳にゴロンと寝転がってしまった。
「ほら、酔ってる……ユノ、もう寝た方がいいよ、家まで送ってあげるから」
「ん?寝る……」
「うん、いい子」
雅美さんが俺の頭を撫でてくれた。
「気持ちいい……もっとお」
「もっと?気持ちいい事されたい?」
「ん、されたい」
そう言った後に唇に何か重なって、その後に舌に何か絡んできた。
ん……これ……いつか……の気持ちいいやつだ。
俺は気持ち良さにその絡んで来たモノに自分の舌を絡めた。
んっ……きもち……いい。
くちゅ、くちゅって音がする。
そして、それが唇から離れて「ユノ、これは夢だからね」と囁かれた。
夢……。
そっか、夢か……。
あのときも夢だったのかな?気持ち良かったのに。
俺って凄くエッチなのかな?
これってキスだよね?
ベロチューってやつ。
そんな夢見るなんてエッチだあ。
夢なら「もう1回」気持ち良くなりたい。
俺が言葉にした後、また、気持ちいいモノが口内に侵入してきた。
気持ちいい……。もっと、もっと、気持ち良くなりたい。
俺はそのまま眠ってしまった。
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