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ゾクゾクと…… 5話

ひいいい!!俺の馬鹿あ!!! なんと俺は酒に弱く、あれから酔って寝てしまい。タクシーに乗せられてアキラさんがおぶってベッドまで運んでくれたそうで。 ごめんなさいいいい!! もう、土下座したいよおお。 「酔ったユノは色っぽくて可愛いかったよ、大胆だったし……あんな風に誘われると思わなかったよ」 うわあああ!!もう止めてくださいい!! 俺は数々の失態を聞いて死にそうだった。 「おかげで勢いで抱きそうだったよ」 勢い……。 勢いがなければアキラさんは俺を抱かないのだろうか? 「あ、あの、俺、怪我も治ったし、アキラさんは俺が怪我治ったら、えっ、えっちな事してもいいって……」 ここまで言って恥ずかしくて顔が熱くなる。 「ほら、また、そうやって煽る……ダメだよ?ユノ、そういう無防備な感じは」 アキラさんはため息をつく。 「違います!俺、本気です!」 力強くアキラさんを見る俺。 「ユノ」 「アキラさんは俺としたくないんですか?俺って子供ですか?いつまで待てば」 「ユノ、ストップ!声大きい」 アキラさんの手が俺の口を塞ぐ。 「ユノ、ほら、落ち着いて」 アキラさんは俺を抱き締めて背中をポンポンと叩く。 なんじゃそりゃ!!子供慰めるみたいじゃないか!! 「俺はユノを子供だって思ってないよ」 「だったら!」 「はいはい、落ち着いて……ユノ、お風呂入ろうか?」 はい?と思った。 何誤魔化してんの?とか思ってしまった俺がいるよ! アキラさんは……この話になると直ぐに引いてしまう。 そう考えたら……アキラさんは本当は俺の事、そんなに好きじゃないの?と不安になる。 ダメだ……俺ってば!アキラさんを疑うなんてさ。 アキラさんに抱っこされて風呂に連れて来られた。 お互い裸だったら脱ぐ手間ははぶけた。 「ユノ、なんか拗ねてる」 湯船に浸かり、俺を膝の上に乗せるアキラさん。 そりゃ、拗ねてますよーだ! 「ユノの気持ちは嬉しいよ!昨日だって、暴走しちゃったしさ」 俺は黙って話を聞く。 「ユノを子供扱いしている訳じゃないから……って言っても信じないんだよな?」 後ろから両手が回された。 「ほら、機嫌直して」 「うん、分かった」 俺はこれ以上、困らせちゃいけないなって思った。 だって、折角見つけた居場所。自分のワガママで無くなるのは嫌だ。 もう、誰か居なくなるのは嫌だ。 いい子にしていないと、置いていかれる。 ◆◆◆◆ アキラさんは仕事へ行った。 俺は今日は休み……。 飲み会が昨日だったのは俺が今日、休みだからだと思う。 優しいよね、雅美さんもじい様も。 俺……ちゃんといい子かな? ワガママ言っちゃダメ……。 置いていかないで……。 お父さん、……どこ?もう、ワガママ言わないから……。 ◆◆◆◆ 「ユノ」 名前を呼ばれて目を開けた。 開けると雅美さんが俺を見ている。 「ほら、おいでユノ」 雅美さんは俺を抱き起こして、そのまま抱き締めた。 「怖い夢みてた?大丈夫だよ」 抱き締めて背中をトントンされた。 何が起こっているのだろう? なんで、俺は雅美さんに抱っこされてるの? でも、安心する。 雅美さんの匂いに安心してしまう。また、眠くなって俺は目を閉じた。 ◆◆◆◆ 「んー」 俺は目を開けて周りを見る。 ベッド……? あれ?どーしたんだっけ? 起き上がってベッドから降りようとしていると「ユノ、起きた?」と雅美さんが顔を出した。 「雅美さん、あれ?どーしたの?」 ちょっと、驚いた。 「昨日、ぐでんぐでんで、二日酔いでしょ?だから、様子見に来た」 ニコッと微笑む雅美さん。 「ご飯食べれる?それとも二日酔いの薬がいいかな?」 「……ちょっと、食べれます」 俺はフラフラと立ち上がった。 すると、風景がグニャって曲がって、俺は倒れそうになる。 「ユノ!」 咄嗟に雅美さんが抱きとめてくれた。 あれ?なんで?上手く歩けない……。 「目が……まわる……」 まるで、メリーゴーランドにでも乗っているみたいだった。

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