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そよそよと……14
そうだ……ありがとうって言うんだっけ?
「ありがとうございますアキラさん」
お礼を言う俺の頬にアキラさんの手が触れる。
「不謹慎だけどさ、熱あるユノってちょっとエロくて色っぽい」
「………なんすかソレ?」
ちょっと笑うとアキラさんの顔が近付いてきた。
そして、軽くキスされた。
「ほんと、ヤバイ」
アキラさんはそう言うとキスした俺の唇を指先で触る。
「……アキラさんの方がエロい顔してますよ?」
見上げるアキラさんは凄く色っぽい目で俺をみていた。
「そんな顔してる?……だったらユノのせいだな」
「おれ?」
「……そう、ヤバイくらい。待てないかも」
待てない?
待てないって………何を?
それを聞こうと思っていたら、「ユノ、ゼリー…」と雅美さんが戻ってきた。
「ちゃんと薬飲んでね。それと、明日はお休み」
「えっ?大丈夫です!微熱だし、明日には」
「ユノ、怒らせたい?」
俺の言葉を遮り、雅美さんは俺の近くにきて、
「無理するとぶり返すだろ?迷惑とかそんな風に思ってるならソレも怒るからね。ユノは僕の可愛い弟だし、ジイさんにとっても大事な家族だから心配するし、迷惑もかけて欲しい」
そう言ってニコッと笑った。
「………雅美さん。……はい、ありがとうございます」
「わかればよろしい。じゃあ、おやすみ」
優しい声に優しい顔。
家族………かあ。
嬉しいかも………えへへ。
「じゃあ、アキラ、これ薬」
雅美さんは俺が嫌いな薬をアキラさんに渡して帰っていった。
………うっ、薬かあ~~。
「ユノ、何だよ?その露骨に嫌そうな顔は」
クスクス笑うアキラさん。
「だって」
ゼリー食べながら薬の事を考える。
「そんなお子ちゃまなユノも好いとーよ?」
アキラさんは俺の頭を撫でる。
「……じゃあ、また口移しで薬飲ませてくれますか?」
そう言うとアキラさんは照れたような顔で、
「ほんと、ユノは……」
アキラさんは俺にキスしてきた。
アキラさんのキス………好き。
何度か軽いキスして、その内に舌が入ってきた。
絡んでくる舌に俺も絡ませて、気づくとベッドに押し倒されている。
何度も何度も深いキスが繰り返されて、頭がボーっとしてきた俺でした。
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