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ゾクゾクと……9話
「ユノの身体に負担かかるし、初めてが本当に自分でいいのか悩んでた」
「……何それ?アキラさん、雅美さんに相談してたと?」
「うん……してた。まあ、幼なじみだし?話しやすいのもあるし、1人で悩んでも答え出なかったりするだろ?誰かに背中押して貰いたいって思う時もあるから」
……アキラさん。
雅美さんの話を聞いて悩んでいるのは自分だけではないと気付いた。
「ユノも悩んでたんだね」
雅美さんの優しい手が俺の頭を撫でる。
「……言えなかった……だって、凄くエッチな奴って思われちゃう」
「どうして?好きな人に触りたいとか触られたいって普通思うでしょ?」
雅美さんの声は優しくて、馬鹿にしてるとかエッチな奴って思ったりしていない。
俺1人、悩んでしまってたのかな?
「……雅美さんも?」
「うん、そうだよ?」
「雅美さんは……そんな感じしないから」
「何それ?僕も男だよ?抱きたいとか思うよ?」
「思うの?……雅美さんも……」
「うん、思う。抱きたいって思う」
それは誰だろう?とふと、考えてしまった。
雅美さんは今、恋人居ないみたいだけど好きな人は居るのかな?
「アキラさんも思ってるの?」
「理性と戦ってるんじゃない?」
ふふっ、と笑う雅美さん。
「負担って……そんな……痛いの?」
聞いてみて、恥ずかしくなった。
「ちゃんと準備すれば痛くないよ?」
「準備?」
「……教えてあげたいけど、アキラに殺されそうだからな」
……その言葉の意味を考えて俺は顔が熱くなる。
お、教えるって口頭じゃなくて実践?
「どこを使うかは知ってるよね?」
雅美さんに聞かれて頷く。
「結構ね、繊細なんだよ、そこ……ちゃんと手順踏まないとね……」
「く、詳しいですね」
「うん、男と寝た事あるから」
その言葉に俺は固まり、その後「えええ!!!」と叫んでしまった。
「初めての相手は男だったよ……高校生の時」
う、嘘!!雅美さん!!雅美さん……おと、男とおおお!!
俺は驚いてしまって口がパクパクとしてしまった。
「ユノ?」
言葉を失った俺の目の前でヒラヒラ手を動かす雅美さん。
「ユノ、相談に乗れるから今度からちゃんと言ってね」
ニコッと微笑まれた。
俺の事よりも、雅美さんの衝撃な言葉でプチパニックだった。
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