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第6話
「アナログは写真全部撮ったとや?」
「うん」
「じゃあ現像しちゃる」
爺様はアナログも現像を始める。
こんな時写真屋は便利だなって思う。
「ユノ、撮影終わったよ」
雅美さんが撮影を終わり俺を呼ぶ。
マツノブさんがレジ前で待っていたので会計をする。
お釣りを返す時に、
「店先の写真はお前か?」
うおっ!しゃ、喋った。
マツノブさんと会話した事がない俺の驚きはハンパ無かった。
「う、うん」
あ、目上の人にうんって言っちゃった。
マツノブさんはお釣りを受け取ると帰って行った。
会話終了~。
何だったんだ?
でも、初めて話せたし良いか。
「マツノブさん、ユノが撮った写真を誉めてたんだよ」
雅美さんが笑顔でそう言う。
「嘘?」
「本当。空が切ないって」
「はい?」
それは誉めてるのか?
「誰でも持ってる良い思い出の中の空を見ているみたいで切ないって。そう思わせるのって凄い事だよ」
「そうなんですか?良く分からないけど」
「そうだよ。じいちゃんがユノが写真撮るとすぐに現像したがるだろ?じいちゃんもさ、ユノの撮る写真好きなんだよ」
嘘?まじすか?
だから直ぐに見せろって…………。
ちょっと嬉しいかも。
後で爺様にお礼言おう。
「ユノ、月曜日は?」
「月曜日?」
写真屋のバイトは休み。
もしかして入って欲しいのかな?
あ、でも、アキラさんと約束。
「アキラさんとこに髪切りに行くんですけど、何か?」
「あれ?アキラんとこ休みじゃ?」
「カットモデルです」
「ああっ、そっか、ユノ、髪伸びたからね。切ってもらっておいで」
ニコッと笑う雅美さん。
「何か用事あったんじゃ?」
「大丈夫。」
雅美さんは気にしないでと現像室へと入って行った。
ちぇ、残念。
雅美さんの役に立てたかも知れないのに。
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