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4話
その声に反応するアキラさん。
アキラさんを呼んだのは入り口近くのテーブルに座る男女の中の1人。
俺と同じくらいの男性。
「おう」
その男性に手を上げて挨拶するアキラさん。
「珍しかねアキラがラーメンとか、豚骨嫌いじゃなかった?」
へっ?
男性の言葉に思わずアキラさんを見る俺。
「嫌い…なんですか?」
「いや、確かに豚骨は嫌い!でもさ醤油!醤油味はバリ好いとおーし」
焦るアキラさん。
「すみません。嫌いとか知らなくて、あ、確認すれば良かったですね。博多の人=豚骨ラーメン好きって考えちゃった」
あー、俺って気が利かない!
「謝るなって!醤油味は好きぞ?」
「アキラさん、ここは豚骨ラーメンしか扱ってないです」
「あ…そうなの?」
更に焦るアキラさん。
なんか見てて可愛い。
大人に失礼かな?
「じゃあ、出ましょう」
俺は列から抜けた。
「ちょ、待てユノ!」
アキラさんに腕を掴まれる。
「ラーメン食べないのか?」
「だってアキラさん食べれないし」
「いや、俺はユノが食べてるの見てるから」
「……何の苦行ですかソレ?」
俺は思わず笑った。
「アキラさん何が好きですか?」
笑いながら聞く。
「ユノ」
「はい?」
そんな料理あったか?何て考えたけど、自分の名前じゃん!と脳内突っ込み。
「あ、いや、その、パスタ」
慌てて言い直すアキラさん。
なんだか顔真っ赤。
車に戻り、改めてアキラさんに謝る。
「ユノ、謝るな!」
エンジンかけながらアキラさんは何やらテンパってるように見える。
「何かテンパってます?」
なんて聞いてみると、
「豚骨嫌いでごめん、…………それとさ、ユノがすんげえ可愛く笑うけん、照れた」
何だソレは?と思った。
「可愛くないですよ」
「いや、ユノは可愛い」
「視力………ああ、良かったんですっけ?」
無駄に目が良いのを思い出す。
「俺が一目惚れしたくらいやけん、ユノは可愛いと!」
叫ぶアキラさんは、云った後で耳まで赤くなるオトメンだった。
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