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9話

「ユノ、初めてだもんなあ。」 アキラさんは俺から離れた。 「今日はキスだけで我慢するよ」 アキラさんは俺の頭をわしゃわしゃと撫でる。 俺は寝たままアキラさんを見た。 あ、そっか……アキラさんが何をしようとしたのか理解した。 ヤルとかヤラれるとか漫画やドラマで良く見るけどさ、実際経験すると何か違う。 そっか、男同士でもするよな。 キスもしたんだし、 ただ、男のおっぱい触っても興奮すんのかな?とか、 おっぱい触られて気持ち良いのかな?とか考えた。 「アキラさん、男もおっぱい触られて気持ち良いものなんですか?」 不思議に思ったから言葉にしてしまったけど、良く考えたら恥ずかしいよね? 現にアキラさんがめっちゃテンパってる。 「ユノ……君は天然なのか小悪魔なのか分からないね」 小悪魔? 「あー、何かすみません。変なこと聞いて」 起き上がろうとする俺の肩をアキラさんが押さえる。 「興味ある?気持ち良いかどうか?」 なんて聞かれた。 「俺、経験ないから良くわかんなくて、すみません、本当、お子ちゃまで」 そう言う俺の顔にアキラさんの手のひらが触れて、 「ユノは俺と体験したい?」 と真顔で聞かれた。 体験? 初体験? 「………アキラさん」 真顔で見つめられてドキッとした。男同士のエッチってどうするんだっけ? 「俺はユノが全部欲しい…4年間、ずっとユノばかり見てた」 「アキラさん」 「好きだよユノ」 アキラさんの顔が近づきキスされた。 セックス、 痛いのかな? それとも気持ちいいのかな? キスしながらアキラさんが俺のシャツの中に手をいれてきて、指先が乳首を摘んできた。 くにくにって指先でいじられて、 離れた唇が、 「シャツ上げていい?」 と断ってくる。 ドラマで見る野郎は断りなんか入れてなかったのにアキラさんは、 きっと気を使ってくれてるんだって感じた。 頷くと、 シャツを胸の上まであげられた。 男同士だから見られても恥ずかしくはないんだけどアキラさんがじろじろ見るから、何か恥ずかしくなってきた。 「ユノは肌綺麗だな。白いし、無駄な贅肉ついてない」 「なんか見すぎなんですけど……」 アキラさんの顔を見上げる。 「そりゃあ見ちゃうよ、好きな人の裸だもん」 好きな人…… 好きな人って、 俺だよね? 「試してみようか?」 「えっ?」 「気持ち良いかどうか」 アキラさんの顔が近づいてチュッて胸の真ん中辺りにキスしてきた。 そして、そのまま吸われた。 ちゅっ、ちゅっ、って何度もキスされて、 それから乳首を歯で軽く噛まれた。 その途端に背中がぞわぞわってなって、 くすぐったい! 「アキラさん、くすぐったい!」 あはは、と笑い出す俺。 指先がつっーっと胸の真ん中を上から下に撫でられて、ゾクゾクとしちゃって更に笑い出す。 しまいには暴れるくらいに笑うもんだから、 「こら、落ち着け」 とアキラさんに宥められるんだけど、くすぐったいのはアキラさんのせいだし! 「ユノ、もう少し我慢しろよ」 「はい」 俺は大人しくなる。 「良い子だな」 アキラさんはほっぺにチュッってして頭を撫でた。 薄い月明かりの中、ニコッと笑うアキラさんは色っぽく見えて、ドキッとした。 その後はドキドキが早くなってきて、アキラさんが胸にキスして来た時には心臓の鼓動はめちゃめちゃ早くなってた。

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