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そよそよと……19
「あっ、」
咥えられたから、つい……声が出た。
クチュクチュって音が……
「アキラさん……」
名前を呼んでも返事出来るわけがないのは知ってるけれど、つい、名前呼んじゃう。
フェラ……上手いよねえ、アキラさん。やっぱ、大人だから……俺、下手くそだもん。もっと練習……えっ?練習?どうやって?動画見て覚える?
色んな事を考えているうちに気持ち良くなってきて、力が抜けていく。
股間が熱い……。
そして、気持ちいい……
「ん……」
息が荒くなっているのが自分でも分かる。
アキラさんの舌が俺のチンコを気持ち良くしてくれる。温かいし、舐められたり吸われたりするのって気持ちいいんだな。
だから、みんな、エッチな事してるんだ……
身体が次第にビクン、ビクンって痙攣してきて……ああ、イクってこういう事だってアキラさんが教えてくれた。
だって、自慰行為とか……俺、しない方だもん。
身体が大人になって、周りが女の子とヤッたとか話してても「ふーん」ってしか思えなくて、女の子みて興奮するとか、水着の女の子みて、オナるとか考えもしなかった。
学生の頃……必ず、そんな話になって、俺は興味無かったから会話に参加しなくて、「川畑って顔いいからさ女の子選り取りみどりじゃん?」っていつだったかクラスの男子に言われた。
「俺、好きな子いないし」って答えたら「どんな子タイプ?」ってしつこく聞いてきた奴いたな。
……あ、
俺はその時、マキタキイチの顔を思い出した。
そうだ!あの時、話し掛けてきたのはマキタキイチだ。
本当だ……同じクラスだった。
今頃思い出した。
マキタキイチを思い出した辺りからアキラさんのフェラの動きが早くなり、「あっ、やっ、んん」思わず身体が動いた。
俺が大きく反応したのが分かったのか、アキラさんはもっと動きを早めた。
「やっ、いく、だめ!」
アキラさんの口内に出してしまう。
イキそうになるのを我慢しながら「アキラさん、出るからはなして……」とお願いをする。
でも、アキラさんは俺をイカせたいのか……動きを早め、俺はアキラさんの口の中に射精してしまった。
俺は大きく息を吐きながら起き上がる。
アキラさんは俺が出したモノをゴクンと飲み込んだ。
「アキラさん!!飲んじゃダメ!飲み物じゃないと!」
思わず声に出す。
アキラさんは俺の言葉に笑って、「本当、ユノは可愛かねえ」と言った。
「だって……飲むとお腹壊すって」
「ネット情報?」
頷く俺。
色々と勉強しなければ大人のアキラさんにはついていけないもん。
「勉強熱心だなユノは……」
アキラさんは俺の頭を撫でる。
「さて、寝るか」
「へ?」
「何?」
「……いや、あの、するんじゃ……」
俺はてっきり、最後までするんだと思っていたから拍子抜け。
「怪我治ってないからダメ。治ってからだって言っただろ?セックスって体力使うし、色んな体位あるから今は無理」
「えっ……」
そんな……俺、覚悟したのに。多分……覚悟したと思う。
今夜、やっちゃうかも!!って。
「そんな可愛い顔してもだーめ!」
アキラさんは俺の横に寝転ぶ。
「あ、アキラさんは……抜かないでいいんですか?」
「ん?俺は大人だから平気」
「我慢強いって事ですか?」
「……まあ、そういう事」
「お、俺は子供なんで我慢とか出来ないんです」
うひゃー!!俺、凄い事言ってない?
「イッただろ?」
「イッたけど……でも、俺はアキラさんとエッチ……しちゃうって覚悟してて……えっと、その……俺……」
ああ、どう言えば伝わるのだろうか?
アキラさんはきっと、我慢してくれてる。
やりたいのを……俺が怪我してるから。
「ユノ……誘ってる?」
アキラさんに見つめられる。
カッコイイ……って思ってしまうよ、アキラさん。
「誘ってます……だって、色々……勉強してるって言ったでしょ?」
「言ってたね……でも、ユノ……今、抱いたら激しくして、ユノの怪我を酷くしちゃうかも知れないんだ」
「痛いのは我慢できますよ!」
「そんなドM発言」
アキラさんは笑い出して、「ユノ……俺はね、ユノの初めてが欲しいよ。でもね、大事にもしたい。痛がる事や怖がる事はしなくない」
「でも」
「ユノ……アナルセックスってちゃんと準備しなきゃダメなんだよ。受け入れる方に負担がかかる……勉強したんじゃないの?」
アキラさんに言われ……ネットで動画しか見てなかった浅はかさを思い知る。
準備とか?……うう、そんな真剣な顔されたら、諦めるしかないじゃん!
「分かった……治ってから」
ちょっと急ぎ過ぎてるような自分に反省。
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