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1話-3
「さあ、叶くん、そこに正座して」
正座か。
正座は今辛いな、既に血液がきちんと循環してなくて、末端神経が軽く痺れている。
間宮さんが満足してくれるまで、正座し続けるのは相当しんどいだろう。
が、断る権利はないので素直に正座する。
「間宮さん、〆切が近いから、節度を持ってね」
「あー、あー、聞こえないよ、叶くん」
子どもみたいな真似しやがって。
これで〆切に遅れたら、また俺が担当に土下座しなくちゃならないんだから。
「叶くん、そんなこと考えてる暇なんてないんだよ」
間宮さんは、裸足になった右足の指で、俺の股間をパンツの上から撫でた。
あ、なに、今日はそういうプレイなんですか。
「もっと足開いて」
言われた通りに、ずりずりと足を開く。
急所を無防備に晒すのは不安なことこの上ない。
「叶くん、どうかいい声で鳴いてね」
そんな、無理言うなって。
「あっふ、あ、っあ」
間宮さんの足に力が入る。
俺の股間が薄い布越しにじんわり押しつぶされていく。
「上を向いて、叶くん」
優しい声と、顎を撫でる指先。
それから容赦なく押し潰す右足の、ギャップと言ったら。
「っが、ああああっ」
意識なんて、すぐ持っていかれる。
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