8 / 89
1話-8
圧倒的に潤いが足りない。
指先くらいの侵入は可能でも、さらに奥にとなると、絶望的なまでに潤いが足りなかった。
ぬぽぬぽするする簡単に指が入るほど、俺の穴はまだ緩くはないのだ。
それでも、淵を舐めるように拡げて円を描く間宮さんの指が、俺を性的な衝動に駆り立てる。
焦らして責め立てる間宮さんの指を、深いところまで咥え込みたい。
寝不足の俺の頭はおかしくなっていた。
「っふあ、ん、あっ、あ、」
わざと声を出しながら、俺は自身を擦り上げる。
溢れ出た先走りを、後ろの穴へ塗り付けた。
起きて、間宮さん、あんたの指でこんなになったんだから、あんたの指で、責任とってよ。
時間も仕事も忘れて、間宮さんの指を中に引き込むのに必死になる。
「叶くん、やらしい顔して、どうしたの」
寝起きの間宮さんの声がして、顔を上げると、やっぱり眠そうな間宮さんと目が合った。
「……間宮さんの指が、いけないんです」
「そう、ずいぶん温かいと思った」
「っ」
間宮さんはいたずらでもするみたいに、中に入っている指を動かす。
ともだちにシェアしよう!