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1話-8

 圧倒的に潤いが足りない。  指先くらいの侵入は可能でも、さらに奥にとなると、絶望的なまでに潤いが足りなかった。  ぬぽぬぽするする簡単に指が入るほど、俺の穴はまだ緩くはないのだ。  それでも、淵を舐めるように拡げて円を描く間宮さんの指が、俺を性的な衝動に駆り立てる。  焦らして責め立てる間宮さんの指を、深いところまで咥え込みたい。  寝不足の俺の頭はおかしくなっていた。 「っふあ、ん、あっ、あ、」  わざと声を出しながら、俺は自身を擦り上げる。  溢れ出た先走りを、後ろの穴へ塗り付けた。  起きて、間宮さん、あんたの指でこんなになったんだから、あんたの指で、責任とってよ。  時間も仕事も忘れて、間宮さんの指を中に引き込むのに必死になる。 「叶くん、やらしい顔して、どうしたの」  寝起きの間宮さんの声がして、顔を上げると、やっぱり眠そうな間宮さんと目が合った。 「……間宮さんの指が、いけないんです」 「そう、ずいぶん温かいと思った」 「っ」  間宮さんはいたずらでもするみたいに、中に入っている指を動かす。

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